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インタビュー
下北沢に「挑戦」のカルチャーを!SYCL by KEIO 影山さんインタビュー
近年、下北沢は小田急線の地下化・京王井の頭線の高架化に伴い、大きな再開発が行われました。ミカン下北は高架化された井の頭線の下に開業した京王電鉄の商業施設、「ようこそ。遊ぶと働くの未完地帯へ。」がコンセプトです。変化を続ける下北沢、その中でもさらなる盛り上がりを見せるシェアオフィス・コワーキングスペース「SYCL(サイクル) by KEIO」で何が起きているのか、コミュニティマネージャー影山さんに伺いました。
【前半動画】
【後半動画】
シェアのカルチャーに出会い、その文化に飛び込んで
株式会社ヒトカラメディアの影山 直穀(かげやま なおき)です。2022年3月に下北沢にできた「遊ぶと働くの未完地帯」を掲げる「ミカン下北」にあるワークプレイス「SYCL by KEIO」の立ち上げに関わり、現在施設責任者 兼 コミュニティマネージャーを務めています。
ーーコミュニティマネージャーに興味を持ったきっかけを教えてください
不動産事業者で働いていたときに、あるシェアオフィスの入居者と出会い、自分の考えていることの壁打ちなどをしてもらいました。そのとき、「それだったらこの人を紹介するよ」「それを実現するには、こんなアイデアは?」などシェアオフィス独特の「シェアのカルチャー」に触れたことが、自分の中で大きな原体験として残っています。
当時の会社の事業として、下北沢にシェアオフィス/コワーキングスペースの立ち上げと運営を行うようになりました。その経験で身につけた、コミュニティデザインやコミュニティマネジメントの能力を高め、下北沢の人とも、もっとつながりたいと思いヒトカラメディアに参加し、SYCLの立ち上げから関わりました。コミュニティマネージャーはとても楽しいですね!
ーーこの仕事はやめられない!と思う瞬間を教えてください
シェアオフィスの場で、初対面の人が出会い、その会話の中から色々なことが生まれます。たとえば、一緒に仕事をする、なんてこともありますし、ランチメイトになったり、家族ぐるみでのお付き合いをされている方もいらっしゃるんです。
これまで出会わなかった人たちがつながり、その一つ一つの出会いから色々な可能性が広がっていく瞬間に立ち会い、皆さんの「楽しい」「ワクワクする」みたいな心の声を聞きながらその景色を見られるのは、本当に最高です。
ーー出会いを誘発するコツはあるのでしょうか?
大切なのは、最初のつながりをどのように作るか、ですね。入居の案内のときに1時間くらい時間を頂いて、施設を案内しています。説明自体は15分くらいで終わるんですが、残りの時間はたっぷり雑談させてもらってるんです。その時に、お仕事や趣味などで得意なことなどを伺って、仲良くなりながら入居者さんへの理解を深めます。そのときに気づいた「この人と仲良くなりそう」とか「この人を紹介しよう」などのきっかけづくりを意識して行うことで、より意味のある紹介ができると思っています。
下北妄想会議・studio YETとは?
ーーSYCLならではの取り組みはありますか?
SYCLのコンセプトは「誰かの”やってみたい”が街とつながる」です。
SYCLを起点として、下北沢でなにかやってみたい人が関わるプログラムが2つあります。それが「下北妄想会議」と「studio YET」。
下北妄想会議は想いの発露の場。1回大体30~40人ほどが参加するので、1テーブル5人ほどに分かれてワークショップを行います。
ワークショップでは自己紹介と「下北沢でこんな事やったら面白いんじゃない?」という妄想を紙に書いてコミュニケーションします。その人の肩書だけでなく、「どんなことをやってみたいか」を知って、より深く知り合えるんです。その中で、「応援したい」とか「こういう人を紹介しますよ」など、互いに応援のコメントを交わします。
妄想会議の熱量のグラデーションは様々。「本当にやってみたい!」という熱量を持つ妄想を、どのように実現しようか?と次のステップに進めるのがstudio YETです。
「やってみたいこと」を「やってみる」に変える。大きな一歩にならなくても、0.5歩でも進めるようなチャレンジです。応募してもらったら、アイデアの壁打ちをしたり、実現に必要な人や場所を紹介して、実際の実験につなげます。半歩進むだけで、妄想はチャレンジへと進化するんです。
下北妄想会議は2022年の7月と11月に実施。studio YETは2022年の8月に第0回に4名の参加で実施しました。ちょうど今月(インタビューは2022年12月)からstudio YETの第1回が始まり、4名が参加しています。
チャレンジの連鎖が始まった
ーーこれからのSYCL・ヒトカラメディアの目標を教えてください
嬉しいことに、第0期のstudio YETに参加した人の背中を見て、「自分も挑戦したい」と第1期に応募してくれた人がいるんです。チャレンジの連鎖というのでしょうか、その鎖がつながり始めたのを感じます。
まずは、SYCLとしてこのチャレンジの連鎖がこの場を起点に生まれ続けるようにしたいですね。今は下北沢といえば、ファッションや演劇の街として知られています。僕らのプログラムをきっかけとして、「チャレンジ」や「実験」が下北沢のカルチャーと認識されるようにしたい、というのも目標のひとつです。
ヒトカラメディアとしても「チャレンジの連鎖を起こし続ける」ことを目指しています。街の中で連鎖を起こし続けて「下北沢ではチャレンジできるんだ!」と認識されて、共感する人が集まり、「チャレンジの生態系」を作りたいですね。
もちろん、他の街での展開も考えています。それぞれの街で人口や年齢層、文脈が異なるので、それぞれを汲み取り、丁寧に展開していきたいです。「下北沢だからできるんでしょ?」と言われないように、共通するものと固有の文脈を合わせて、ここで得た知見を生かして展開していきます。
ーー魅力的な地域には、素敵な人が集まっていて、みんなが大好きな場所があります。影山さんが一人ひとりの入居者さんと向き合い、半歩ずつでも未来へと進む中で、着実に「挑戦という下北カルチャー」が育ちつつあると感じました。ファッションや演劇だけではなく、「やってみたい!を実現する文化」の発信地、SYCLの今後から目が話せません!
取材協力
ミカン下北
2022年3月30日、東京・京王井の頭線下北沢駅の高架下で開業した複合商業施設。「ようこそ。遊ぶと働くの未完地帯へ。」をプロジェクトコンセプトに、下北沢の自由で雑多な空気の中で、多様な人々がジャンルや価値観を超えて混ざり合い、予想もつかない何かが生まれる場所を目指します。
開業 :2022年3月30日
運営会社:京王電鉄株式会社
所在地 :東京都世田谷区北沢2-11-15 ほか
URL :https://mikanshimokita.jp/
SYCL by KEIOについて
「誰かの”やってみたい”が街とつながる」をコンセプトに京王電鉄の再開発プロジェクトの一環としてミカン下北にて開業。施設名の「SYCL」は「Shimokita Yellow Creative Lounge(下北 イエロー クリエイティブ ラウンジ)」の頭文字を組み合わせた造語。
Yellow(黄色)は明るさや自己の放出を象徴するためキーカラーとして採用したという。”やってみたい”という熱量が街中で循環(サイクル)するという思いが込められている。オープンから半年で個人・法人合わせた会員数が160名を突破。
運営会社:株式会社ヒトカラメディア
事業主体:京王電鉄
所在地 :A街区:東京都世田谷区北沢2-11-15 ミカン下北 A街区 4F、5F
B街区:東京都世田谷区北沢2-296-1 ミカン下北 B街区 3F、4F、5F
利用料金:フルタイムプラン3万3,000円/月・ナイト&ホリデープラン1万5,400円/月など
URL :https://sycl.space
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