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不動産の共有持分・共有名義とは?解消する方法などを紹介

いえらぶコラム編集部

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「共有持分」や「共有名義」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。夫婦や親子が共同で不動産を購入した場合や、相続により複数名で不動産を受け取った場合などに聞くことが多いかもしれません。今回は、不動産の共有持分・共有名義とは何か、そして共有名義のメリット・デメリットとその解消方法についてご紹介します。

1.不動産の共有持分・共有名義とは?

不動産の「共有名義」は「共同名義」ともいい、ひとつの不動産を複数人で所有している状態を指します。そして、「共有持分」とは、その不動産を誰がどれくらいの比率で所有しているかという所有権の割合です。ただし、実際の不動産は共有名義者同士できっちり分割して使うことが難しいため、共有持分はあくまでもその不動産に対する「権利」の割合となります。実際に使用できる面積の割合ではありませんので、その点にご注意ください。

複数人でお金を出し合って不動産を購入した場合や、複数の相続人が不動産を共同で相続した場合には、共有名義となります。なお、所有した不動産は必ず登記所で登記を行う必要があり、登記簿に所有者名と持分が記載されるのですが、共有名義の場合は全員の名前とそれぞれの共有持分が記載される形です。毎年4~5月頃に各自治体から共有名義人の代表者にのみ届く「固定資産税通知書」でも持分割合を確認できます。

例えば、共有名義は以下のようなイメージです。

三兄弟でひとつの不動産を相続して均等に所有していれば、長男、次男、三男の3人の共有名義になります。そして、互いの共有持分は3分の1ずつです。

三兄弟でひとつの不動産を相続して均等に所有していれば、長男、次男、三男の3人の共有名義になります。そして、互いの共有持分は3分の1ずつです。

もし、夫婦で5,000万円の不動産を共同購入し、夫が3,000万円、妻が2,000万円支払う場合は夫婦の共有名義となり、出資額の比率から共有持分は夫が60%、妻が40%となります。

夫婦で5,000万円の不動産を共同購入し、夫が3,000万円、妻が2,000万円支払う場合は夫婦の共有名義となり、出資額の比率から共有持分は夫が60%、妻が40%となります。

なお、分譲マンションのように一棟の建物内の各区分をそれぞれの家主が所有していることを「区分所有」と呼びますが、今回ご紹介している「共有名義」とは意味合いが異なります。

2.不動産の共有持分・共有名義のメリットとデメリット

不動産を共有持分・共有名義にする場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

2-1.メリットとは?

不動産を共有名義にした場合のメリットは節税効果の高さです。新規購入時のメリットと、全員に共通するメリットをご紹介します。

新規購入時住宅ローン控除を重ねて受けられる【新規購入時】

住宅ローン控除とは、年末の住宅ローン残高のうち0.7%をその年の所得税から税額控除できる制度です。本来は上限が40万円までとなっていますが、住宅ローンを共同で借りた場合は各自のローン残高に対して控除を受けることが可能です。そのため、世帯で見ると控除額の上限より高くなることがあります。例えば、ローン残高が「夫3,000万円+妻2,000万円」であれば、控除額は「夫21万円+妻14万円」で35万円となるわけです。

新規購入時贈与税を支払わずに、親から資金援助してもらえる

マイホームを新規購入する場合、親が資金援助を申し出てくれる場合もあるでしょう。しかし、購入資金として一定金額以上を援助してもらうと、当然ですが贈与税が発生します。そのような場合、資金援助をしてくれる親と共有名義にすれば、贈与税を回避することが可能です。

売却時の特別控除を重ねて受けられる

これは、共有名義の不動産を持つ全員に関係するメリットです。不動産を売却して利益が出た場合、その利益に対して税金がかかります。通常だと、売却益のうち3,000万円までは特別控除が受けられますが、共有名義の場合は各自が特別控除を受けることが可能です。そのため、2名の共有名義だと、最大6,000万円までが控除の対象となります。

2-2.デメリットとは?

不動産の共有名義はメリットばかりではなく、デメリットもあることに注意しなければなりません。

共有者の承諾がないと売却ができない

共有名義の不動産全体を売却するためには、共有者全員の同意が必要です。

※共有者全員の同意で売る場合は共有者全員が売主になるため、印鑑証明書や身分証明書、実印など全員が書類を準備し署名押印することになります。

対象不動産の使用や管理で共有者間の話し合いが必要

共有名義の不動産の場合、その使い方や管理を単独で決定することができません。共有者全員で話し合い、共有持分の過半数が同意する必要があります。

相続で共有者が増える可能性がある

所有者が死去した場合、親族が相続することになります。その場合、代襲相続や数次相続によっては共有者が増えていく可能性があります。

離婚時の財産分与が複雑になる

離婚時の財産分与は、婚姻中に築いた財産をすべて折半するのが基本です。その場合、共有持分の割合に関係なく均等に分割するため、財産分与が複雑になる可能性があるので注意しなければなりません。離婚時の財産分与に関しては、以下の「離婚により夫婦の共有状態を解消する場合」で詳しくご紹介しています。

持分割合と出資割合を揃える必要がある

新規に購入する場合、支払った金額の割合と持分割合を等しくする必要があります。しかし、金額によってはそれが難しいケースもあるでしょう。その場合、差額分は贈与とみなされる可能性があり、金額によっては贈与税がかかります。また、妻が妊娠・出産などで仕事を辞めてしまったので夫が代わりにローンを支払うというケースでも、出資割合と持分割合の比率が変化するため贈与とみなされます。

3.不動産が共有持分・共有名義になっているリスク

不動産が共有持分・共有名義となっている場合、いくつかのリスクが考えられます。

売却が困難になる

1人でも同意しない人がいた場合、対象の不動産全体を売却できません。そのため、手放したくても売却ができないという可能性があります。ただし、個人の共有持分は売却できるため、兄弟や親族との関係が悪化していて不動産全体の売却が難しい場合でも、自分の持分だけ手放すことは可能です。

なお、相続により共有名義者が増えていくと意思の統一が難しくなるため、さらに売却が困難になりがちです。また、前述の通り、自分の共有持分を人に売ることができるので、気が付いたらまったく知らない人が共有名義者になっている可能性も考えられます。

管理や運用がしにくい

共有名義の不動産は、リフォームや賃貸利用を行う際も共有持分の過半数の合意が必要です。そのため、実際に住んでいるのが自分だとしても、過半数の同意がない限り自由にリフォームをしたり、人に貸し出したりできません。

税金や修繕費などが発生する

実際に住んでいない、活用できていない不動産だとしても共有持分に応じて固定資産税の支払い義務が生じます。加えて、相続する段階になると、相続税が発生する可能性もあるでしょう。

また、近年では放置空き家が問題視されているため、誰も住んでいないとしても治安の悪化を防ぐため定期的なメンテナンスが必要です。これらの修繕費や管理費なども、共有持分に応じて支払いをする必要が出てきます。雑草や樹木が伸びすぎている、ゴミが不法投棄されている、家屋が崩れかけているなどの場合は、「空家等対策特別措置法」により指導や勧告の対象となるので注意が必要です。

その他、以下のようなトラブルも考えられます。

・共有名義人が税の支払いを滞納している
・共有名義となっている家に一緒に住んでいないのに、固定資産税だけ払わされている
・収益不動産の一部に共有名義人が住んでいて、家賃を支払わない
・共有名義人が持分以上の権利を主張する

このような問題の発生を避けるためにも、望まない不動産の共有名義は早めに解消しておくのがおすすめです。

4.共有持分・共有名義を解消する方法

不動産の共有名義を解消したい!と思ったら、どのような方法があるのでしょうか。共有名義の解消にはいくつかのやり方がありますのでご紹介します。

4-1.不動産全体の売却

一番シンプルな方法は、対象である不動産全体の売却です。売却益を共有名義人で均等割にすれば、共有名義を解消できます。ただし、1人でも反対する共有者がいると売却できないので注意しましょう。共有者同士の話し合いが困難な場合は、専門家を間に挟むのがおすすめです。

4-2.共有持分の売却や買取

共有持分は4-1で挙げたよう不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要となりますが、自分が所有する持分のみを売却する場合は、共有者の同意は不要で、自分の意思で自由に売却し共有状態を解消をすることができます。自分の持分のみを売却することとなるため当然、売却益は自分のみが手にすることとなります。ただし、持分売買の場合は住宅ローンの融資が受けられないケースが多いため、購入者側が自己資金を用意する必要があります。兄弟や親族間で売買する場合は、その点にご注意ください。

4-3.共有持分の放棄

共有持分は、放棄できます。その場合、自分が放棄した持分は他の共有者に帰属することになるため、共有者を1人だけ残した状態で全員が放棄すれば単独所有の不動産にすることが可能です。

自分が放棄した持分は他の共有者に帰属することになるため、共有者を1人だけ残した状態で全員が放棄すれば単独所有の不動産にすることが可能です。

なお、共有持分の放棄は無償となるため、放棄した側には金銭の授受が発生しません。しかし、放棄持分を受け取った側は「みなし贈与」と判断されて、贈与税が課税される可能性が高いです。

4-4.土地の分筆

共有不動産が土地のみの場合、分筆という方法で共有名義を解消することが可能です。分筆とはひとつの土地を、複数に切り分ける手続きのこと。登記簿上で土地が複数個にわかれるため、各自の単独所有とすることができます。ただし、以下の場合は分筆ができないので注意しなければなりません。

・その土地に建物が残っている場合
・市街化調整区域内の土地で、分筆後の面積が200㎡以下になる場合

4-5.共有物分割請求訴訟で強制的に解消する

共有物分割請求訴訟とは、裁判で解消を求める方法です。裁判所が強制的に共有状態の解消を行ってくれるため、全員の合意がなくても解消が可能です。ただし、個人が裁判手続きを行うことは難しいため、弁護士に依頼することになる可能性が高くなります。その場合、別途弁護士費用が発生することと、解消までに半年から1年ほど時間がかかることは知っておきましょう。

5.共有者間の離婚や複数の相続人で遺産相続した場合で不動産の共有状態を解消する方法

前述の通り、不動産の共有名義はトラブルの原因になりがちですが、特に夫婦が離婚した場合や複数人でひとつの不動産を相続した場合、一般的な方法では解消できないことも多いため複雑です。ここからは、特殊な事例について、具体的にご紹介します。

5-1.離婚により夫婦の共有状態を解消する場合

離婚が成立した場合、婚姻中の共有財産は「財産分与」に基づいて分割されます。財産分与は民法で定められており、婚姻中の共有財産は持分割合に関係なく夫婦で折半するのが一般的です。つまり、どちらがどれだけ支払ったという点は配慮されず、不動産や現金などすべて含めて半分に分けるという形になります。これは不動産に関しても例外はありません。

財産分与の方法としては、以下の3つの方法があります。

・現物分割による財産分与
・代償分割による財産分与
・換価分割による財産分与

例えば、以下のようなケースは「現物分割による財産分与」が成り立ちます。



【共有財産】
・4,000万円の共有不動産
・3,500万円の預貯金
・500万の自動車

夫:4,000万円の不動産=4,000万円
妻:3,500万円の預貯金+500万円の車=4,000万円

しかし、必ずしも現物でうまく折半できるとは限りません。その場合、「代償分割による財産分与」を行うことになります。代償分割による財産分与の場合、より大きな金額の現物を手に入れる側が、均等にならない部分を代償金(現金)で精算する形です。



【共有財産】
・4,000万円の共有不動産
・3,000万円の預貯金

夫:4,000万円の不動産-代償金500万=3,500万円
妻:3,000万円の預貯金+代償金500万円=3,500万円

なお、現物分割や代償分割の場合、夫婦のどちらかが家に住み続けることができるというメリットがあります。しかし、預貯金が少ない場合は現物分割や代償分割が難しいというケースもあるでしょう。そのような場合は、不動産などの共有財産をすべて売却し、現金を折半する「換価分割による財産分与」という方法もあります。



【共有財産】
・4,000万円の共有不動産

売却して現金化し、手数料等を除いた金額を夫婦で折半する

換価分割による財産分与は、ローンの問題やどちらが家に住み続けるのかなどを考える必要がないため、最もトラブルが少ない方法といえるかもしれません。

5-2.複数人で相続した財産の共有状態を解消する場合

親族が亡くなって相続が発生した場合、不動産が共有名義になることがあります。しかし、親族間での共有名義は後々トラブルの原因になりかねません。そのため、これから相続手続きを行うのであれば、まずは「遺産分割協議」を行う必要があります。

遺産分割協議とは、相続人(遺産を受け継ぐ人)全員で不動産を含む遺産の相続方法を決定する話し合いを行うことです。遺産分割協議で「相続人のうち1名が単独名義で不動産を相続する」もしくは「不動産を売却し、その金額を均等分割する」などの相続方法を決定することが可能。まずは、どのように相続するのが理想的か、全員で話し合うようにしてください。

なお、すでに共有名義で不動産を相続してしまったというケースもあるかもしれません。その場合は、「共有持分・共有名義を解消する方法」でご紹介したいずれかの方法で解消しましょう。また、以下の場合は遺産分割協議のやり直しが可能です。

・相続したときに遺産分割協議を行っていない
・相続した際、遺産分割協議を整えずに法定相続分(民法で定められている相続の割合)に基づいて不動産を相続した

ただし、遺産分割協議のやり直しは専門知識が必要になるため、弁護士や司法書士などの不動産トラブルに強い専門家に相談するのがおすすめです。

おわりに

共有持分の全体売却は、共有者全員の同意が必要です。しかし、当事者間では話し合いがこじれてしまい、うまく解決できないというケースも少なくありません。そのような場合は、ぜひ共有持分売却を専門としている不動産会社へ相談してはいかがでしょうか。

たとえば共有持分売却のリーディングカンパニーであるCENTURY21中央プロパティーでは、面倒な不動産トラブルについても、そのまま丸投げして大丈夫ですし、豊富な実績と経験から共有持分を適切に評価し、専門家の目線で最適な解決方法を提案しているようです。

もしあなたが共有持分の売却で悩んでいたり、自分の持分のみを高額で売却したいと考えているのであれば、ぜひ中央プロパティーへ相談してみては如何でしょうか。

また、「不動産の共有名義・売却・買取」と同様に手続きが難しい「借地権の売却」についてはこちらの記事で解説しております。お悩みの方は是非ご覧ください。

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