幾何学模様が特徴的な伝統織物「琉球かすり」。南風原町はその琉球かすりのシェアを大きく占める主産地です。近年では染料の品質向上に伴い、かすり独特の深い色合いのほかに明るく華やかな生地も作られるようになりました。かりゆしウェアやネクタイ、バッグなどにアレンジされる事も多く、以前より伝統工芸を気軽に身に着けることができるようになっています。また琉球かすりのほかにも「南風原花織(はえばるはなおり)」と呼ばれる織物も盛んで、多用な色彩の糸を使った立体感のある柄が人気になっています。南風原町には「かすりの道」と呼ばれる散策コースがあり、かすりの図柄を施した路面を歩けば、街中に建ち並ぶかすりの工房から、とんとんと機織の音が聞こえてきます。工芸館「琉球かすり会館」では作業工程の見学や反物、雑貨類の展示販売も行っているので、興味のある方は職人の技を間近で見てみてはいかがでしょうか。