住まいのノウハウ

「観光地」を脱ぎ捨て、暮らしを耕す。小樽市・移住ガイド——坂道と海風、そして美食が日常になる街

いえらぶコラム編集部

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「小樽に住む」と友人に話せば、きっと「毎日が旅行だね」なんて返ってくるでしょう。

でも、駅に降り立ち、運河の喧騒を背にして山側へ歩き出すと、そこにはガイドブックには載らない、骨太で温かな「生活者たちの小樽」が広がっています。

今回は、不動産エージェントの視点と、街を歩き尽くしたライターの視点で、この街の真の住み心地を紐解きます。

1. 【買い物・飲食】市場とスーパーが共存する「贅沢な食卓」

小樽の食生活は、一言でいえば「素材の暴力」です。冷蔵庫を開けるのが楽しみになる、そんな環境が整っています。

日常使いの勝手口:長崎屋とサツドラ

JR小樽駅の目の前にある「長崎屋」は、市民の冷蔵庫代わり。地下の食品売り場は庶民派の価格帯で、仕事帰りにサッと寄れる安心感があります。

また、花園地区などにある「サツドラ(サッポロドラッグストアー)」は深夜まで営業している店舗もあり、急な体調不良や日用品の買い出しにも困りません。

市場文化を食卓に:「南樽(なんたる)市場」の贅沢

小樽暮らしの醍醐味は、スーパーではなく「市場」にあります。

国道5号線から少し入った場所にある「南樽市場」。夕方、仕事の合間にここに立ち寄ってみてください。

「今日はいいシャコ入ってるよ!」という威勢のいい声とともに、その日の朝に揚がったばかりの魚が並びます。

お惣菜の「おかず」も充実しており、一人暮らしの食卓も一気に豊かになります。

夜の止まり木:花園のディープな夜

夜が更けたら、レトロな看板が並ぶ「花園エリア」へ。

ここは観光客向けの寿司屋ではなく、地元の人が通う居酒屋やバーが密集する地帯です。1,000円前後で満足できる定食屋から、数十年続くスナックまで。

クリエイティブな単身者なら、銭函エリアまで足を伸ばして、海を眺めながらコーヒーを啜る週末も日常の風景になります。

2. 【交通・足腰】「始発駅」の特権と、覚悟すべき「坂」の洗礼

札幌通勤のリアル

「小樽から札幌まで通えるの?」という不安。答えは「Yes」です。

JR小樽駅からは、新千歳空港方面へ向かう快速エアポートが多数小樽始発で運行しており、発車10分前にホームにいれば座れることが多いです。

約35分〜40分、読書をしたり、海を眺めながらメールを返したりしているうちに札幌駅に到着します。

満員電車で揉みくちゃにされるストレスとは無縁の「移動時間」が手に入ります。

坂道との付き合い方

ただし、小樽は「坂の街」です。

例えば「地獄坂」と呼ばれる急坂。冬場、雪が積もったこの坂を登るのは、ちょっとしたアドベンチャーです。

車の所有: 四駆(4WD)は必須。

夜道の明るさ: 主要道路は明るいですが、一歩路地に入ると街灯がポツンと灯る程度。

でも、坂の上からふと振り返ったときに見える、紺碧の小樽港。この絶景のために、小樽っ子は日々足を鍛えているのかもしれません。

3. 【子育て・環境】歴史が遊び場で、自然が教科書

ファミリー層にとって、小樽は「街全体が巨大な公園」のような場所です。

週末の定番:小樽公園と手宮公園

街の中心部にある「小樽公園」は、広いグラウンドや遊具があり、週末は家族連れで賑わいます。

さらに北側にある「手宮公園」は、春には桜、秋には紅葉が美しく、子供たちが歴史的な鉄道遺構のすぐそばで駆け回る姿が見られます。

歩道と行政の体温

古い街ゆえに、路地裏の歩道は決して広くありません。

ベビーカーでの移動は少し工夫が必要な場面もありますが、その分、街の人が「あ、手伝うよ」と声をかけてくれる距離感の近さがあります。

小樽市は子育て支援にも力を入れており、国の無償化に加えて、認可保育所や認定こども園では0〜2歳児の第2子以降の保育料を無料にする施策など、経済的なバックアップも用意されています。

4. 【家賃・コスト】札幌の「あと一部屋」が小樽なら叶う

札幌市中心部で1LDKを探す程度の予算であれば、小樽では広めの2LDKや築浅3LDKが視野に入るケースも多いです。

間取り/家賃相場/備考

1K・1DK:3万円台〜5万円台(リノベ物件が狙い目)

2LDK:5万円台〜7万円台(ファミリー物件も豊富)

3LDK以上:6万円台〜9万円台(駐車場込みの戸建て賃貸も )

【光熱費の注意点】

小樽は都市ガスとプロパンガスが混在しており、特にプロパンガス物件ではガス料金が高めになりやすいので、冬場の光熱費全体は札幌よりやや高くなる可能性を見込んでおくと安心です。

その代わり、家賃の安さで十分お釣りはくるはずです。

5. 忖度なしの判定!「小樽に向いている人・いない人」

◎ 向いている人

「食」を人生の真ん中に置きたい人: 鮮魚、野菜、パン、酒。質が高く安い。

古いものを愛せる人: 築年数の経った家を自分でDIYしたり、歴史の重みを楽しめる人。

札幌に勤めつつ、オンオフを切り替えたい人: 電車のドアが開いた瞬間、潮の香りがする安心感。

× 向かない人

完璧なフラット・バリアフリーを求める人: どこへ行くにも坂はついて回ります。

大型モールの「均一的な便利さ」が全ての人: イオンもありますが、小樽の魅力は「個人商店の顔が見える商売」にあります。

おわりに:潮の香りと共に、人生のスピードを少し落としてみませんか?

小樽は、決して「便利なだけの街」ではありません。冬の雪かきは大変だし、坂道で息が切れることもあります。

けれど、南樽市場で買ったハッカクを刺身にし、地酒の「宝川」を傾けながら、港の灯りを眺める。

そんな夜を一度でも過ごせば、不便ささえも愛おしくなる。それが小樽という街の魔力です。

小樽市の物件一覧はこちらからご確認ください。

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Writer この記事を書いた人

いえらぶコラム編集部
不動産業界・賃貸物件に関する広報活動を行いながら、現在はいえらぶGROUPのライターとして活動中。おもに、不動産・賃貸物件・税金・片付け・車といった暮らしに関わる記事を執筆しています。
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