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抵当権とは?抵当権が実行されたら賃貸契約はどうなる?

いえらぶコラム編集部

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マンションやアパート、テナントなどの賃貸契約をするときに、抵当権について説明を受けることは少なくありません。

入居者は「もし自らが賃貸契約をしている物件の抵当権が実行されたらどうなるのだろう?」と不安に思う人もいると思います。

また、所有者や賃貸人としては「契約時に何か伝えておかなくてはいけない点はあるのか」と心配に感じる人もいるでしょう。

今回は、抵当権とは何かを説明したうえで、抵当権が実行された場合の賃貸契約に与える影響、契約時の留意点などについてご紹介します。

抵当権とは?不動産に実行された場合の流れ

まずは抵当権の概要から見ていきましょう。

抵当権とは?不動産に実行された場合の流れ

<抵当権とは>

抵当権とは、金融機関から融資を受ける(お金を借りる)際に設定される担保のことです。

つまり、金融機関(債権者)としてはお金を貸すけれども、万が一債務者のローンの返済などが滞ることがあれば担保としている不動産などを競売にかけることで、借金返済にあてる権利のことです。

たとえば、オフィスビルやテナントビル、マンションなどの場合は建設費用が多額になるため、金融機関のから融資を受けずに一括で支払いをするケースは少ないです。

そのような建設費用が多額になりローンを組む必要がある場合、融資を受けるかわりに建設したビルなどに抵当権を設定することはよくあります。

また、新しく事業を始める際も金融機関から融資を受けることも多く、不動産などに抵当権を設定することもあります。

なお、「抵当権が設定されている物件を借りるのは不安」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、上記のとおり金融機関から抵当権が設定されているケースは珍しいことではないため、そこまで不安に感じる必要はないでしょう。

ただ、消費者金融など、金融機関以外の業者から抵当権が設定されている場合は、注意が必要かもしれません。

<抵当権が不動産に実行された場合どうなる?>

抵当権が実行され競売に至る場合は、以下のような流れになります。

①債務者のローン返済不能などの理由により、金融機関(債権者)が裁判所を通じて競売にかける

②競売で不動産が売れ、新しい所有者から代金が裁判所に支払われる

③裁判所から金融機関(債権者)に配当が支払われる

 同時に、新しい所有者が所有権を取得する

競売は、全て裁判所を通じてその手続きがおこなわれます。

そして、競売により問題なく代金の支払いなどが終われば、抵当権も無事抹消され、新しい所有者に所有権が移行することになります。

抵当権が実行されると賃貸契約はどうなる?明渡猶予制度とは

では、今自分が賃貸契約をしている物件に抵当権が実行された場合、どうなるのでしょうか。

それは、抵当権が設定されたのがいつかによって、ケースが変わってきます。

抵当権が実行されると賃貸契約はどうなる?明渡猶予制度とは

<賃貸契約の後に抵当権が設定された場合>

賃貸契約を結んだ「後」に、金融機関などから不動産に抵当権が設定された場合、もちろん契約者としては契約締結時点で抵当権のことを認識していません。

したがって、抵当権実行後も賃借権が勝り、新所有者は入居者に対し立ち退きなどを命じることはできません。

<賃貸契約の前に抵当権が設定された場合>

続いては賃貸契約を結ぶ「以前」に、すでに抵当権が設定されていた場合について説明します。

このケースが一般的に実際よくあるパターンでしょう。

賃貸契約を結ぶ前に抵当権が設定されているということは、賃貸契約締結時点で、抵当権についての説明を入居者におこなっていることになります。

抵当権についての説明を細かにおこなったうえで、入居者は契約を締結したことになります。

したがって、抵当権が設定されるのが賃貸契約「前」だった場合は、入居者はそのリスクも認識したうえで契約したということになり、賃借権を主張できず、新所有者からの立ち退きを命じられた場合は立ち退く必要があります。

ただ、すぐに立ち退くことは現実的に考えて難しいので、一定の期間は入居し続ける権利が保障されています。

これが、「明渡猶予制度」です。

<明渡猶予制度とは>

明渡猶予制度とは不動産が競売にかけられ競落した場合、その物件の賃借人(入居者)は6か月は建物の明渡しを猶予されるという制度です。

元々抵当権が設定されていたことを認識していて、かつ、競売にかけられ所有者が変わったとしても、住んでいた家を「すぐに出ていけ」と言われても簡単に新しい住居を見つけることはできません。

そこで、6か月まではそのまま入居し続けても良いという賃借人の保護を図り、権利を保障するのがこの制度趣旨です。

ただ、賃借人は明渡猶予制度内であったとしても、その物件に住み続ける対価を新所有者に支払う必要はあります。

物件支払い料としては、賃料相当額を支払うことが相場ではあります。

また、その費用を賃借人が支払わずにそのまま入居し続けた場合は、新所有者は賃借人に対し「明渡請求」をおこなうことができます。

もちろん、この場合は6か月の猶予などはありません。

<敷金の取扱い>

敷金については、旧所有者と取り決めた契約によるものなので、貸借人(入居者)から旧所有者に請求することになります。

ただ、旧所有者は所有不動産が競売にかけられるほど資金調達ができない状態なので、旧所有者からの支払いは期待できないケースが多いです。

抵当権が設定された物件契約時の注意点とは?賃借権の登記時期が要

抵当権が設定された物件契約時の注意点とは?賃借権の登記時期が要

上述したとおり、賃借している不動産に抵当権が設定され実行された場合は、抵当権が設定されたタイミングがいつなのかによって、賃貸契約に与える影響が変わってきます。

・抵当権が設定されたのが賃貸契約の「後」だった場合:貸借人は明渡請求に従う必要はない

・抵当権が設定されたのが賃貸契約の「前」だった場合:貸借人は明渡請求に従う必要がある

要するに、賃借権の登記時期がいつなのかが要になってきます。

抵当権が設定されている物件を契約する際には、まずはこの抵当権が設定されたタイミングと賃借権の登記時期がいつなのかを明確にしたうえで、契約する必要があります。

すでに抵当権が設定されているのであれば、所有者や不動産業者は少なくとも以下について契約者に対しきちんと説明しておきましょう。

・今後万が一支払い不能などの状態に陥った場合は、抵当権が実行され、当物件が競売にかけられることがある

・競売にかけられ、入居者が新所有者から貸借人が立ち退きを命じられた場合は、立ち退く必要がある

・「明渡猶予制度」により、6か月間は入居し続ける権利が保障される。

・明渡猶予期間中は賃料も発生し、新所有者に対し物件使用相当料を支払う必要がある。

あまり、事細かに説明すると、入居者の不安を煽ることにはなります。

ただ、万が一抵当権が実行されたときのためにも、契約書に盛り込むことはもちろんのこと、入居者に賃借権についての説明をする際に十分な説明を事前にしておく必要はあります。

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まとめ

以上、抵当権とは何か、抵当権が実行された場合に賃貸契約へどのような影響が生じるのかなどいついて説明しました。

抵当権が実行されると競売にかけられて、新しい所有者に所有権は移りますが、抵当権が元々設定されたタイミングがいつなのかによって、明渡請求に応じる必要の有無に関わってきます。

抵当権が設定されている物件だからと言って、過度に恐れる必要はありませんが、入居者は抵当権の設定者は誰かなど登記内容を確認すること、所有者・不動産業者は入居者に対して万が一の場合についてきちんと説明しておくことは必要だと、心に留めておいてくださいね。

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