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マンションの相続税はどう評価される?減税できる特例もご紹介

いえらぶコラム編集部

マンションの評価方法と相続税評価額を求めよう

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近年では、不動産投資としてマンション購入の需要が高まっており、マンションを相続するケースも増えています。

しかし、マンションを遺産として相続する際に気になるのが、「相続税がどのくらいかかかるのか」ということ。

相続税の納税にそなえて、マンションの評価方法や相続税の計算方法、相続税を減額できる特例などについて見ていきましょう。

マンションの評価方法と相続税評価額を求めよう

実は不動産の価値を評価する方法はさまざまで、それに伴いマンションの評価額も変動します。

マンションの評価方法と相続税評価額を求めよう

<さまざまな評価方法>

不動産の評価方法は、以下のように5つあります。

■公示価格:毎年1月1日時点を基準にした地価のことで国土交通省が指定している

■基準地価:毎年7月1日時点で評価され、都道府県調査地価とも言われる

■実勢価格:実際に取引された、需要と供給が釣り合った価格

■路線価:国税庁や市町村が指定した、道路に面している土地の価格のこと

■固定資産税評価額:市町村が固定資産税評価基準に基づいて決定する価格で、公示価格の70%ほどになる

<土地の評価>

マンションの相続税は、相続税評価額という課税価格を基準にして計算するので、まずはマンションの相続税評価額を求めましょう。

先ほど評価方法は多くあるとご紹介しましたが、基本的に路線価を使用して相続税評価額を決定します。

また、相続税評価額は土地とマンションに分けて求めることに注意してください。

まずは、マンションが立地している土地の相続税評価額を調べましょう。

これは国税庁の路線価図・評価倍率表のページから確認できるので1㎡あたりの土地の路線価を探します。

路線価を確認できたら、

土地全体の相続税評価額=1㎡あたりの路線価×土地面積×画地調整率

で計算しましょう。

このときの土地面積は、売買契約書の土地面積合計と書かれた部分を参考にします。

また、画地調整率とは実際の土地の特徴を考慮して評価額を調整するためのもで、奥行きが長すぎて利用効率が悪い土地には奥行価格補正、角地には反対に利用しやすいので側方路線影響加算をおこないます。

他にも、二方路線影響加算や間口狭小補正などさまざまな調整方法があり、公平に相続税評価額が決定される仕組みになっています。

国税庁のホームページに詳しく記載されているので、ご確認ください。

>>不整形地の評価

もし相続する遺産が分譲マンションであれば、所有しているスペースの相続税を計算する必要があります。

土地の相続税評価額(分譲マンションの場合)=土地全体の相続税評価額×持分割合

で求めましょう。

持分割合も売買契約書で確認できるので、探してみてください。

さらに、相続するマンションが賃貸マンションである場合は、

土地の相続税評価額(賃貸マンションの場合)=土地全体の相続税評価額×(100%-借地権割合×30%×賃貸割合)

で計算します。

賃貸割合とは貸し出ししている部屋の割合のことで、10室あるマンションで5室が埋まっているのなら50%が賃貸割合です。

借地権割合は、路線価図に記載されているので確認してみてください。

<マンション自体の評価>

では次にマンション自体の相続税評価額を算出する必要があるのですが、これは固定資産税評価額と同じになるので、固定資産評価証明書を確認すればわかります。

もしくは、毎年1月1日時点での不動産所有者に郵送される課税照明諸でも確認可能です。

しかし、賃貸マンションでは実際に利用するのは入居者で、所有者は自由にマンションを利用できなかったことを考慮して、相続税は低くなります。

計算方法は、

マンションの相続税評価額=固定資産税-(30%×賃貸割合)

です。

このことからも、相続税対策をするのならマンション経営は有効的な手段だと言えます。

マンション相続税に活用できる特例

ここまで、相続税評価額を求める方法をご紹介しました。

次はいよいよ相続税を計算する作業に移るのですが、その前に相続税の基礎控除や活用できる特例を把握しておきましょう。

マンション相続税に活用できる特例

<相続税の基礎控除>

相続税の基礎控除は、

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)

で求めます。

法定相続人とは、法的に指定されている財産を相続する人のことで、被相続人の配偶者やその子どもになります。

この計算式で基礎控除額が遺産の総額を超えてしまう場合、相続税は発生しません。

<節税方法①小規模宅地等の特例>

相続税を減額できる方法として小規模宅地等の特例があり、被相続人と相続人が一緒に住んでいた場合に適応可能です。

たとえば、相続するマンションに被相続人と配偶者、子どもたちが一緒に住んでおり、残された配偶者と子どもたちがその後も住み続けるのであれば、330㎡までの土地は相続税評価額を50%~80%減らせます。

その他にも、被相続人に配偶者や同居していた親族がいない場合でも所定の条件を満たせば、小規模宅地等の特例が適応になるケースがあります。

<節税方法②配偶者控除>

配偶者であれば、配偶者控除という特例の対象です。

配偶者控除とは、配偶者が相続する財産が1億6,000万円までなら相続税が発生しない特例で、適応できればほとんどの場合で相続税がかからないことになります。

ただし、配偶者控除は戸籍上の配偶者であることや相続税の申告を期限内できちんとおこなうことなどが条件になっています。

マンションの相続税シミュレーション

マンションの相続税シミュレーション

納税する相続税は、

マンションの相続税=(マンション相続税評価額-基礎控除額)×税率

で計算されます。

つまり、相続税評価額を求めたあとに、基礎控除や特例、法定相続人にかかる税率などから納税額を求めるという流れになります。

今回は分譲マンションの場合で、以下の条件で相続するとします。

■土地の面積:1,000㎡(調整する必要はなし)

■1㎡あたりの路線価:20万円

■マンションの固定資産税評価額:2,000万円

■相続人:3人(配偶者1人と子ども2人)

■持分割合:10%

■小規模宅地等の特例はなし

<①相続税評価額の計算シミュレーション>

まずは土地の相続税評価額を求めましょう。

20万円×1,000㎡×10%=2,000万円

次に分譲マンションの相続税評価額ですが、固定資産評価証明書を確認すると固定資産税は2,000万円と記載されていました。

そこで、

分譲マンションの相続税評価額=2,000万円

になります。

これらを合計して、

2,000万円(土地)+2,000万円(分譲マンション)=4,000万円

分譲マンションの相続税評価額は、4,000万円ということになります。

<②納税する相続税の計算シミュレーション>

では次に、相続税評価額を利用して相続税を計算しましょう。

始めに基礎控除額を計算します。

3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円

相続税の計算は、

相続税=相続税評価額-基礎控除額

になるので、

4,000万円-4,800万円=-800万円

でマイナスの結果になるので、今回の場合、相続税は発生しないことになります。

以下の記事でも相続税について解説しているので、ぜひ参考にしてください。

>>マンションの相続に必要な費用と手続きについて解説!相続税の計算方法もご紹介!

まとめ

不動産にはさまざまな評価方法があり、相続税は最終的に相続税評価額から基礎控除や特例などを考慮して決定されます。

今回は分譲マンションのみを遺産として相続する場合をご紹介しましたが、本来は遺産を相続する場合は現金やローン残債など存在するため、まずはそれらを含めた遺産総額を求めなければなりません。

相続税の計算はとくに複雑になり、また相続税対策には多くの要件が関わってくるため、税理士に依頼することも1つの手段でしょう。

まずは、相続税がどのように決定され、活用できる減税措置や特例があるのかを確認することがおすすめです。

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