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屋根に付いている窓「天窓」のこと、どれくらい知っていますか?

住宅の天窓

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皆さん天窓って聞いたことありますか?

家を建てたことある人や、家に関わっている仕事をしている人はもちろん知っていますね。

そうでない人も、聞いたことはあると思います。

私も「あー屋根に付いている窓ね」と答えられます。

屋根に付いている窓だけど、いまいち目的などは考えたこともありませんし、日常的に前まで、そこまで意識したことはないかもしれません。

友人の家にあったとしても、そこまで興味も持たなかったかもしれません。

現在、家について勉強する機会がありさまざまなことを調べていますが、天窓はとても魅力的なものではないか、と思っています。

小さい頃、車のサンルーフに憧れがあったのと同じように、天窓にも憧れがあります。

上を見れば夜空が見えていて、別荘みたいにオシャレだなと感じます。

そこで天窓とは何か、メリット・デメリットはどれくらいあるのか、などお話しましょう。

天窓とは

住宅の天窓

建物の天井や屋根部分に取り付けられる開口部や窓のことで、トップライト、ルーフウィンドウ、スカイライトなどともいわれます。

窓が一面しか付いてない家や北側向きの家などに設置されるケースが多く、主に採光や換気できるのが特徴です。

建築基準法の有効採光面積の計算において、壁面に設けた窓の3倍の面積に換算されます。

屋根に取り付けられている天窓には、「固定式」、「開閉式(手動)」、「開閉式(電動)」の3種類があります。

種類によっては、目的も少し違ってきます。

・固定式

シンプルに採光を目的として設置される人が多く、初めて天窓を設置するのによく選ばれる種類です。

開閉がないため、常に部屋が採光されていて明るく、暗くなれば夜空も眺めることができます。

会社によっては、オプションでブラインドも付けられるようで、開放的すぎて気になる人はブラインドで調整可能です。

・開閉式(手動)

採光だけでなく風も取り込めるので、湿気の多い浴槽付近や子供部屋、屋根裏などに設置し換気目的として付ける人も多いです。

夏の暑い日に、外からの風を家の中に取り込みたいときにも、大活躍しそうです。

・開閉式(電動)

目的としては手動と同じです。

電動なので、吹き抜けのような屋根が高い所でも簡単に開閉することが可能です。

最近ではセンサー付きの天窓もあり、雨や雪をキャッチすると自動で閉まるようになっています。

天窓の種類によっては、強化ガラスや複層ガラス、遮熱ガラスなど対応しているため、設置する場所に合わせて豊富な機能を選択することも可能です。

また、専用のブラインドや、網戸、スクリーンといった商品も数多く種類があるので、季節に合った対策の仕方もさまざまです。

天窓のメリット

天窓について種類も分かりましたが、そもそも屋根に窓を付けるメリットはどういったものがあるのでしょうか。

・採光性

最大のメリットはこの採光性ではないでしょうか。

壁面に付いている通常の窓は、光が横一方向からしか入ってこないため、時間帯によっては部屋の中に光が届かず薄暗くなります。

特に、周囲が建物で囲まれていることが多い都会や家、狭小地では採光を取り入れにくいです。

しかし、屋根に付いている天窓は、光を上から降り注ぐため、昼間は一定の自然の光を家の中に取り込むことができます。

さらに、天窓と併用して勾配天井や吹き抜けを設けると明るく広い空間を実現することも可能です。

天窓から降り注ぐ自然光は、子供の健康な発育・発達を促すといわれています。

ある調査で「自然光の多い教室で勉強する子供は、そうでない教室の子供に比べると読解力が26%高まり、計算が20%速くなる」と結果が出されているようです。

人の健康にも大きく影響します。

自然光を浴びることによってビタミンが体内で合成され、逆に不足すると社会不安障害などになる可能性が高くなったり、睡眠障害・認知症の原因の一つにもなります。

朝から自然光を浴びると、私たちの体内時計も整えられ、心と身体に良く、今はストレスの多いといわれている日本人の生活に効果が多そうです。

・通風性、換気

天窓は風通しの良さ、つまり通風性や換気にも優れています。

通風や換気のために、日本の特徴的な屋根の形状として越屋根と呼ばれる通気用の小屋が屋根の上に付けられた屋根があります。

この越屋根で有名な建物は、富岡製糸場です。

開閉する天窓を付けると、この通気性に優れている越屋根と同じ原理になります。

窓と窓との開口部の垂直距離に比例して換気率が上がるので、通常の壁面の窓だけの通気と比べると、屋根に窓を取り付けた場合の通気量は2~4倍にもなるといわれています。

室内の風を通すには、外気の入り口と、その反対側に出口を作る必要があります。

空気の通り道を作ることで、自然の風が吹き抜ける家となります。

例えば出口を天窓にするとします。

暖かい空気は上に向かう性質があるので、壁面の窓から天窓へ、つまり下から上へと空気が流れるようになるのです。

これはドラフト効果と呼ばれ、風が無い状態でも自然に空気の流れを生み出すことが可能です。

なので、効率的に外の空気との循環を図ることができて換気を十分に行うこともできるのです。

特に夏の暑い時期は天井や屋根付近に熱気がこもり、排出する効果もあります。

ロフトのような屋根に近い場所は熱気がこもりやすく、窓を取り付けづらくなってしまいます。

また家庭によっては、洗濯物を干す場所として利用する人もいるので、なおさら天窓は必要になってきます。

・光熱費の削減(省エネ)

先ほどご紹介したメリットである採光性があることで、自然光が入らない部屋では、どんなに晴れていても一日中電気を付けていなければ、部屋は暗いままで生活できないでしょう。

天窓があれば、昼間は明るいので電気を付ける必要がなく、電気代の削減につながります。

さらに通気性・換気のメリットがあることから、風通しが良いので夏の冷房の使用頻度を減らすことも可能です。

他にも、天窓のガラスを遮熱や断熱性に優れたものを選べば、夏は熱を遮断してくれるのでより冷暖房の効率を良くしてくれます。

そして、冬は外部へ熱が出ていくことを防げるので、さらに効果的です。

ですから、天窓は環境に優しく、エコな暮らしを実現するのにピッタリな窓です。

・防犯対策

私も最初は本当に天窓が防犯対策になるのか不思議でしたが、効果的なことが分かりました。

逆に屋根に窓が付いていることは、泥棒などが入りやすいんじゃないかと思っていました。

空き巣や不審者の侵入経路の一つとして窓があげられます。

天窓の場合だと、屋根に上って侵入しないといけないので、足場が少なくなり、時間がかかります。

空き巣や侵入者は、時間のかかる家、苦労する家を嫌う傾向がありますので、防犯性が向上します。

夜や外出時に、換気のために窓を開けたままにしておいても安心です。

種類によっては雨を感知するセンサー付きの天窓もあるので、より安心です。

・プライバシー性が高い

隣の家が近い場合、近隣と窓が向き合っていることが多く、周辺の視線が気になることもあるので、常にカーテンで室内側を見られないように隠す必要があります。

しかし、屋根面にある天窓なら外部から見えないため、プライバシー性が高いといえます。

自分の家の屋根より近くのマンションなどが高いと見える可能性もあるので、確認する必要があります。

・スタイリッシュな内観・インテリアを考えやすい

そもそも屋根に窓が付いていると、壁に付いているよりオシャレに感じます。

天窓のイメージも「オシャレな家にある・お店に付いているもの」です。

なので一つあるだけで、ガラリと部屋の中の印象が変わります。

そして、自然光が入ることによって表情のある部屋が生まれ、光と影のコラボレーションで、美しい空間ができることもあります。

壁一面大きな窓があるお家も憧れますね。

しかし、壁のほとんどが窓だったら家具を置く位置を考えなければなりませんし、困る場合もでてきます。

天窓は、そのような配置場所を考えなくてよくなります。

天窓のデメリット

さまざまなメリットがある天窓ですね。

メリットだけ見てみると付けた方が絶対に良い!と思うかもしれません。

しかし、メリットだけでなくデメリットもあります。

・夏は暑い

天窓から入る夏の日差し

採光が良く開放感もいいからと大きな天窓を設置すると、それだけ暑く感じやすいので注意しなければなりません。

先ほどお話ししましたが、天窓からの光は、壁面の窓からの光と比べて3倍です。

夏は太陽高度も高くなるので、天窓からの直射日光はそれなりの量です。

対策として、ガラスを遮熱性・断熱性に優れたものにしたり、可動式の遮光カーテンやブラインドを設置したりすることもできます。

天窓に貼りつくタイプのブラインドもあります。

これなら天窓を開けていても、光を遮りながら風を通すので、換気もできます。

しかし方角や位置によっては、ブラインドなどで防げないこともあるので、天窓を付けるときは、採光について詳しい業者に確認することも重要ですね。

また暑さだけではなく、直射日光が邪魔になることもあります。

読書していて眩しいと感じることもありますし、テレビを見る方向と光の入る方向についても考えておかないと眩しいと感じることがあります。

さらに、日焼けを気にする人は、注意が必要です。

・雨音

壁面の壁よりも、豪雨や強風のときは音がうるさいですし、雨よけがなく雨が直接当たります。

寝室に天窓を付ける場合は、夜中は寝つけないこともあるようなので、付ける場所はよく考えましょう。

・雨漏り

雨漏りをデメリットに感じる人も多く、開口部周りからすることが非常に多いです。

一概にはいいきれませんが、天窓がない屋根より、また壁面の窓よりも雨漏りの発生リスクが高いです。

屋根や外壁の施工に対してもいえますが、天窓の施工の仕方がよくないと、雨漏りする危険性もあります。

もちろん劣化もあります。

建築会社は雨漏りについて保証しなければなりません。

そのため、天窓の施工を行うのを、あまり良い顔してくれないときもあります。

対策として、自信のあるメーカーは保障期間を長めに設けている傾向があるので、保証期間をしっかり確認して注文することも重要です。

また、自動開閉センサー付き、FIXタイプの天窓もあるので、視野に入れるのもおススメです。

雨漏りとは少し違いますが、開閉式の天窓を開けたまま外出し、夕立になり雨が大量に部屋の中に侵入したという事例もあるので、普段の生活から気を付けることが大切です。

・メンテナンスが大変

先ほどのデメリットでお話しましたが、天窓は屋根に窓を付けているので、施工方法や劣化などで雨漏れがしやすい場所です。

そのため定期的なメンテナンスが大切です。

しかし、高さによっては脚立を使っても手が届かず、掃除をすることが難しい場合があります。

リビングなどに付けたら、届かないケースが多いです。

また吹き抜けなどは、素人では手入れができないことが多いので、安易に付けるのはおススメしません。

雨漏りなどのメンテナンスや窓の清掃は自分自身では難しい部分が多いので、メンテナンスや清掃を業者に頼む必要がでてきます。

また、電動式の場合は、手動式よりもメンテナンスの費用がかかります。

天窓のメンテナンス方法について

天窓の掃除方法

デメリットの中に「メンテナンスが大変」という項目がありました。

確かに、普通の窓とは違うので、自分自身でどこまでメンテナンスや清掃していいか分かりませんし、逆にどこから業者に頼んだ方がいいかも分かりません。

そこでメンテナンス方法についてお話します。

・窓ガラスのお手入れ

手の届く天窓の窓ガラスなら自分で行うことができます。

研磨剤を含まないスポンジや柔らかい布などを使用し、拭いていくといいようです。

通常は水拭きで十分ですが、研磨剤を含まない一般的な掃除用の液体洗剤であれば使用しても問題ありません。

手の届かない位置に天窓がある場合、高所用のワイパーやモップなどを使います。

しかし、高すぎて掃除が難しい場合には、無理をせずに専門の清掃業者にお願いしましょう。

・窓拭きのときに、ガラスにヒビが入っていないかチェック

天窓の寿命は、25~30年といわれています。

しかし、いつ外から強風や物が飛んできて破損するかは分かりません。

窓拭きをしているときに、同時にチェックするのがおススメです。

ヒビが入っていたら、保証が使えるかもしれないので、連絡してみましょう。

・窓枠周辺のカビや雨ジミチェック

天窓は、日頃から外の影響を受けています。

特に、冬は室内と室外の気温差が激しいので結露が出ることもありますし、梅雨の時期は雨に降られることも多いです。

この原因から、カビや雨ジミが発生していて、知らないうちに内部にまで被害が及んでいるかもしれません。

天窓だけではなく、周辺の壁紙にもカビが発生することもあります。

そのため、日頃から自分でチェックすることが大切です。

天窓のメンテナンスは自分でできることもありますし、できないこともあります。

窓拭きやチェックなどは自分で行えますが、壁に付いている窓に比べて高い位置に付いている窓なので、届かなかったり、異変を感じたら業者さんにお願いしてもいいです。

会社によっては定期的なメンテナンスもありますので、上手く活用しましょう。

天窓の設置費用について

天窓を付けることを考えたとき、一体費用がいくらかかるか気になりますよね。

天窓は、50×70センチが一般的なサイズといわれています。

この場合でお話しましょう。

まず天窓自体の価格で、固定式と開閉式の手動タイプで約10万円~、開閉式の電動タイプだと約20万円~となっています。

しかし、これは本体のみで施工費用がこのほかに必要となります。

施工費用は、30万円~が相場です。

そうなると、本体と施工費用で約40万円~かかってくることになります。

天窓のある家

まとめ

いかかがでしたか?

天窓について意外に知らないことが多かったのではないでしょうか。

天窓とは、天井や屋根部分に取り付けられる開口部や窓のことで、「固定式」、「開閉式(手動)」、「開閉式(電動)」の3種類があります。

天窓にはメリット・デメリットそれぞれあり、メリットの代表的なものとして、「採光性・通気性」があげられます。

屋根に付いている天窓は、光を上から降り注ぐため、昼間は一定の自然の光を家の中に取り込むことができるので、壁面に設けた窓の3倍の採光面積に換算されます。

通気性の部分でも、壁面の窓だけと比べると、屋根に窓を取り付けた場合の通気量は2~4倍にもなるといわれています。

デメリットは「雨漏れ」について不安に思う人は多いです。

施工会社をしっかり見極めることは対策に繋がります。

メンテナンスも自分でできるものから、業者さんに頼まなければはらないものまであります。

設置費用として約40万円~かかります。

屋根に付いている窓は、見た感じオシャレだし、雰囲気もいいですね。

しかし、デメリットももちろんありますし、価格も安いものではありません。

しっかりと、検討した上で設置するのがいいでしょう。

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