インタビュー

良い建物を次の住み手につなぐ 青山物産株式会社様

青山物産 四方田様 福永様

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目次

「いい建物をいい形でつなぐことを考えたい」をコンセプトに、中古マンションのリノベーションやヴィンテージマンションの売買仲介・賃貸仲介を行う、青山物産株式会社様。
今回は、創業者である四方田代表取締役と福永専務取締役のお2人に、お話を伺いました。

違う業界にいたお2人が共に創業することになったきっかけ

青山物産 四方田様 福永様

―まず、御社の事業内容を教えてください。

福永専務取締役(以下:福永):当社は今年で創立10年目となります。経営者は私と四方田の2人で、社員・パート含め計5人の会社です。
事業内容としては、『ゼロアパ(売買・ワンストップリノベ)』『ガレージ賃貸』などサイトの運営と、ライフプランニング、不動産投資アドバイスが主ですね。他にはPM(プロパティマネジメント)や、伝統建築の承継サポートというものがあります。

―創立10年ということですが、元々お知り合いだったんですか?

四方田代表取締役(以下:四方田):会社立ち上げの1年くらい前に知り合いました。私達の共通の知り合いが別の会社を立ち上げるということで、「ちょっと一緒にやらない?」と、声をかけてきたことが始まりですね。

―お2人とも、元々不動産関係のお仕事をされていたのですか?

四方田:元々、福永が銀行員で、私はずっと不動産業界にいましたが、一緒に始めたその会社は、主に印刷やWebなどの広告をメインでやっていました。

―全く違う分野だったんですね。

福永:そうです。その後、手伝っていた会社がですが、私には将来独立したいという思いがあったので、そこで青山物産を立ち上げました。ただ、最初はどんな事業をやるか決まっていなかったので、とりあえず「物産」という銀行受けの良い名前で創業することになりました(笑)
それで最初にやったのが、サイトのM&Aです。これは流行るのではないかと思って研究していたのですが、その中で現在当社が運営する『ゼロアパ』というサイトを見つけたんです。

―ゼロアパは元々別の会社さんが運営されていたサイトだったのですね。

福永:そうです。それでこのサイトを購入した頃、私はまだ宅建士の資格を持っていませんでしたが、銀行で不動産には精通していました。それと、私も四方田も共にファイナンシャル・プランナーの資格を持っているので、「それならこのサイトを使って不動産をやってみよう」という話になったのです。会社での不動産免許も、このことをきっかけに取得しました。

古き良き物を遺す、伝統建築の承継

―先程、事業内容の1つに伝統建築の承継とありましたが、具体的にはどのような事業なのでしょうか?

福永:簡単にご説明すると、古き良き建物を後世に遺していくための保存事業と言ったら大げさかもしれませんが、後世に残したい建物の魅力を発信して承継する事業です。

青山物産ホームページ

以前、函館にある物件を担当させて頂いた時のお話ですが、その物件は、アメリカの建築家であったフランク・ロイド・ライトの弟子が造った建物です。これは函館の元町にあって、1928年(昭和3年)に建てられた物です。土地の価格はいくらかありましたが、何せ建物は昭和初期にできた木造なので、銀行としては建物について評価しません。
しかし、価値がないからといって古い建物を簡単に取り壊してしまうと、そこにディベロッパーがどんどんマンションを建てて、つまらない街並みになってしまう。それを私達は、見過ごすわけにはいかないと考えました。そこで、この物件を売り出している函館の業者さんに声をかけて、当社が物件の魅力や価値を発信させていただいたら、東京で買いたいという方が現れたんです。
なお、こちらの物件は結果として売主様のほぼ希望価格で承継できました。街並みを守れたというのは少し大げさかもしれませんが、良い建物を遺すことができたと思っています。

―そういう風に、古き良き伝統を遺していくんですね。

福永:はい。この函館の物件以外にも、現在もいくつか同様の物件情報を、ガレージ賃貸で掲載しています。

それと、私は古くて味わいがあるものが好きで、マンションで言うと俗にいうヴィンテージマンションを集めた『いいっ!マンション』というサイトも運営しています。高度経済成長期と言われた1962~1970年(昭和37~45年)頃は、日本も力があって、すごく良い時代だったのだと推察します。そんな時代に建てられて、今でもしっかり価値を保っているマンションを中心に、サイト内でご紹介しています。
『いいっ!マンション』を立ち上げた理由は、ゼロアパのサイトだけですと、今あるマンションが販売されない限り、次の良い物件を掲載できません。そこで、「私達は、こういう物件を良いと思っていますよ」ということを伝えたくて、『いいっ!マンション』を作りました。

青山物産様の考えに合っているCPMとは

―お2人をはじめ、御社のスタッフの方は資格も色々持たれていると伺いました。

福永:元から持っていたものもありますが、より良いサービスを提供するために勉強するようにしています。
今年はスタッフ全員でCPM(米国公認不動産経営管理士)という資格取得を目指しています。CPMというは1929年(昭和4年)に、世界恐慌が起きたことがきっかけでアメリカで発足した資格です。

青山物産 福永様

当時、しっかりした不動産業界の団体というか、不動産を経営するベースが必要だということで、1933年(昭和8年)にIREMという協会がシカゴにできました。その後、それが全世界に広がっていって、現在は日本支部が世界で2番目に大きい規模の支部となっているんです。CPMは正式名称を『Certified Property Manager』と言って、日本語に訳すると『米国公認不動産経営管理士』ですね。IREMの会員は全世界に約2万人。CPM保有者は約1万人で、日本では約400人がおります。

CPMは、IREMが認定した教育課程を半年程度かけて受講し、テストに合格すると認定されます。投資家(オーナー)のNOI(Net Operating Income)の最大化という使命を持っており、不動産の価値をいかに高めていくか、あらゆる角度から勉強していきます。この考え方が様々なものに応用が可能です。
現在は、このCPMの理論を社内で共有しながら実務に生かしている最中です。もちろん全員がローン電卓ではなく、ヒューレットパッカートの10bⅡ(金融電卓)を駆使しております(笑)DCFの考え方はどんな時にも大切ですし、しっかりとした論理展開をしていきたいと考えてます。要するに不動産のプロとして、本質的なところに行きたいといったところです。

四方田:CPMは、不動産の生み出す価値であったり、流通の方法であったり、色々な角度から見ていくんですね。これが実需やリノベーションでも応用できます。
よく実需の不動産で論争になるのが、「賃貸と購入のどちらが良いのか?」ということです。この時だいたい一般的に比較することとしては、ランニングコストや初期費用など、お金の面ですよね。ですがCPMの場合は、実際に投資としてそれを貸した時に、どういう動きをしてどういうキャッシュを生み出すのか、住んでいる不動産がどういう資産価値を生み出すのかという点から比較していくのです。その上で賃貸なのか、購入したら良いのかを考えてみましょうというところから始まります。全く厚みが違うんですよ。

青山物産 四方田様

―ただの理論だけではないということですね。

四方田:はい。例えば、家賃14万円の物件と、住宅ローンの月々の返済額が10万円の物件があった場合、単純に「売買の方が毎月の支払うお金は安いから、買う方が良いよね」という話ではありません。「この物件は周りにこういう環境があって、子育てに向いています。」という、ランニングコスト以外の視点で考えて、その上で「この街に売買物件が出ていたから買おう。」「今は賃貸しか出ていないなら、賃貸の方が良いよね。」という考えもあると思いますよ。住んでみたいエリアなのかそうでないのか。投資視点だけで見るのか、気持ちに問うのか。CPMは一見的な数字の比較だけではなく、「あなたの心はどう感じていますか?」という部分をひっくるめた上で、「答えを一緒に見つけていきましょう。」というスタンスなので、すごく私達の考えに合っているんですよ。

―本当に1つ1つの物件に関して、コスト面だけでなく、様々な情報も含めて判断していかないといけないということですね。

四方田:そうですね。正解は「自分の中にある」と言われますが、正解が判らない方は、ご自分がどうしたいのか判らないから迷ってしまう。そこを1つ1つ「こういう道もありますよ」と示してあげて、その中で「どういう道が合うのか」というのを提示して、一緒に考えていく。
青山物産が、そういう不動産会社だったら良いなと思いますね。

60分ミーティングの意味と、ご紹介する物件を選ぶ基準

―青山物産様では、お客様との打ち合わせに『60分ミーティング』という時間を設けているそうですが、これはどういった打ち合わせ内容でしょうか?

四方田:60分ミーティングは、そもそも「なぜ家を買うのですか?」というところから始まります。「賃貸ではだめなのですか?」と。

―改めて聞かれると、なかなか答えは難しそうですね。

四方田:そうですよね。もちろん、購入した方が良い方もいらっしゃいますし、購入することを否定しているわけではありません。

―ただ、必ずしも買うことだけが正解ではないと。

四方田:そうですね。購入されるのであれば、1つの資産を得ることがどういうことなのか、そこを考えて頂きます。賃貸を選ぶよりも、資産を増やすことが目的であれば、買っていた方が良いと思います。
しかし、なあなあでポンと購入してしまうと、結局ランニングコストでの比較になってしまいます。私達としては、「『ここで購入したら、次のステップはどうするか?』という視点を持って購入した方が良いですよ。」というアドバイスを行いたい。そうすると、実需仲介だけの知識では、やはり無理なんです。

―そこでCPMが必要となってくるんですね。

福永:それもありますが、どちらかというと生活者としての視点ですかね。結局何のために家を買うのか、なぜ引っ越しをするのかという選択は、今の生活よりも豊かになることを期待しているからです。これが基本的に潜在的な考え方でありベースであるはずなんですよ。
それで、私達が「そのことをきちんと理解していますよ。」とお客様へ伝えることで、お客様も私達の考えに共感して下さいます。ご提案する以上は、「自分自身が生活者として、豊かであるために、どうあるべきかを考え、チャレンジし続けていく。」ということがすごく大事なんじゃないかなと思います。自分ならそういう人に話を聞いてもらいたいと考えますからね。

青山物産 四方田様 福永様

―御社はサイトに掲載されている物件の写真がどれもきれいですが、こちらはプロのカメラマンさんが撮影されているのでしょうか?

四方田:いえ、カメラマンはいません。当社のサイトに掲載している写真は、全て社員が撮っています。
本当に写真は命です。写真でその物件の良さをどう伝えられるかどうか、そのことを考えて撮影しています。

あと、ご紹介する物件も奇をてらった物ではなく、実際に生活がきちんと成り立ちそうな物件を選んでいます。ただ面白い物件だと、他の物を犠牲にしないと生活が成り立たない場合もあるんですよ。そうではなくて、きちんと生活が成り立って、住むまでに労力を要しないような物件を基準に選んでいます。少し格好良く言うと、写真と文章でいかにお客様の心に入っていけるかどうか、伝えられるかと意識しながらやっています。ただ、人によって良し悪しの価値観が違うので、同じ物件を見ても判断基準は変わります。そういったことも、私達が色々ご紹介したり、伝えられたら良いなと思っています。

お2人が考える今後の構想

―では最後に、お2人それぞれの今後の構想などをお聞かせください。

四方田:やはり色々な方と出会いたいですね。お問い合わせやご相談をいただくお客様の中には、結構不動産会社に対して警戒される方も多いんですよね。反対に、「判らないから全部やってください」という方もいらっしゃいます。
ですが冷静に考えると、どんな商売も双方で気持ちが合わないと上手くいきません。先程お話した60分ミーティングは、もっと肩の力を抜いて話し合えるような、そういう関係を築いていきたいという目的もあります。60分という限られた時間で、問題を見つけ出し、ある程度の方向性を定められるか。私達としてもコンスタントに伝えたいことを伝えられるかどうか。私達が伝えることで心を開いていただけるか。生意気ですが、私たちも選んでいるということです。

福永:私は、お客様を最適な方向へ牽引できるようにということです。
例えばご夫婦でいらっしゃると、意見の食い違いでケンカになることもあります。その際、私が双方の意見のバランスを取る仲裁役というよりも、こちらが購入後の生活に対して真剣に考えている姿勢を見せると、お客様はケンカをやめて自然とこちらを向いてくださいますね。
そのためにも、常に生活者目線であるということは忘れていません。それに加えて、必要な専門知識もつけるようにしています。
ただ、100%のものを1つ持っているよりも、今の時代は80%のものをたくさん持っている方が活きると考えています。なぜかというと、その方が人に対して共感できる領域が増えるからです。たとえ80%でも、色々なジャンルへの見識があると、その分コミュニケーションが生まれやすくなるんです。共感することが多ければ、それだけ多くのコミュニケーションが生まれます。それにより相手のことを承認しようとします。
相互理解からしか、建設的な関係は生まれないというのが私の考え方です。

―ありがとうございました。
古き良き物を後世へ遺すことや、お客様に寄り添い共感していただける住まい探しをお手伝いすることを心がける、青山物産様。
今後も、『本当に良い住まい』を、より多くのお客様や次世代へつないでいくことが楽しみです。

青山物産様ホームページ

http://www.aoyamabussan.co.jp/

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