インタビュー

お部屋探しをしているお客様の潜在ニーズをデータ分析して可視化するCocolive株式会社様

Cocolive 山本社長

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今年1月に会社を設立し、5月から不動産向け顧客分析可視化ツールの『KASIKA』をリリースしたCocolive株式会社様。
今回は、こちらの山本社長と五十嵐様にお話を伺いました。

旅行業界から不動産業界へ転身したきっかけ

Cocolive 山本社長

―山本社長は以前楽天トラベルさんにいらっしゃったとのことですが、旅行業界から不動産業界へ転身すると決めたきっかけを教えてください。

山本社長(以下:山本):私と五十嵐は楽天で一緒に働いていたのですが、楽天トラベルでずっと言っていたことが、「ホテルの予約サイトとしてだけではなく、お客様と宿泊施設のマッチングを実現する」ということでした。お客様がベストなホテルに出会えるようにデータ分析をして、お客様を驚かせてみようということに取り組んでいたんですね。
予約するだけであれば、別にホテルや旅館のホームページでいいですよね。ですが、楽天トラベルのような旅行ポータルサイトの役割は、お客様が新しいホテルに出会う場でなければならない、と考えていました。それがある程度形になりつつあった時、よく考えたら、人と家との出会いはもっと大事な出会いだなと気付いたんです。

旅行の場合は、オンラインで宿探しから予約まで完結することが多いですが、不動産の場合はWebサイトで家を探して購入する段階までいきませんよね。大きな買い物となる以上、営業マンの方に話を聞いて内見して、それからじっくり検討して購入を決める。
だからこそ、WEBで完結させるのではなく、営業マンの方に活用してもらえるデータ分析を行って、お部屋探しをしているお客様に1番良いものをご紹介できるような仕組みを作りたいなと。そして営業マンの方に対して、お客様にぴったりのタイミングで、お客様により良い提案ができるような仕組みを作りたいと思って始めました。

主役である営業担当者のために構築したシステム

―御社が作られた『KASIKA』というサービスの仕組みを教えてください。

山本:まずは不動産会社様の自社ホームページの中に、私たちのタグを1つ導入いただきます。反響を獲得する仕組みというのは、御社や他社ポータルサイトが作られていますが、そこで獲得された反響が追客のターゲットとなりますよね。そこに入っていく時に、このお客様は実際どういう行動をされているかということを、何もしなくても見ているだけで営業マンにお知らせします。

例えば以前家探しで反響のあったお客様が、その後しばらく探していないけどまた家探しを始めたというケースがある場合、これまではそのタイミングを逃していました。
弊社のKASIKAは、そのタイミングや活動内容を教えてくれるのです。
また、弊社ではGoogleのクローラーに似たようなものを作っていまして、どのURLを見たというような記録を取得するだけでなく、その中身は何だったのかということまでしっかり解析します。
そして、タイミングを逃さないために、リアルタイムで営業マンにお知らせするアラートメールという機能を付けています。
このアラートメールには2種類ありまして、1つはアクセスし始めた時の通知。もう1つが、お客様がいくつかページを閲覧した活動情報を、1時間単位でサマリーするものです。

―最近流行りのマーケティングオートメーションを不動産に特化した感じですね。

山本:あくまでも主役は営業の方だと思っておりますので、マーケティングオートメーションツールというよりは、KASIKAを見ているだけで、出来る不動産営業マンになれるサービス、と位置付けています。
どんなに良い内容でも、メールで家を買うかというと買わないですよね。いつどんなタイミングで、どんな提案をしたら良いのか、この部分をKASIKAがしっかり可視化していくので、それを「営業担当の皆さんからお客様にお伝えください」というところがマーケティングオートメーションとの違いです。

データ分析を武器に行う、人と家とのマッチング

―KASIKA完成までに、「これは大変だったな」というエピソードはありますか?

山本:サービス開始当初は、色々な機能をクライアント様の営業部門全体に「これを使って下さい」と言っていたのですが、実際に現場では使っていなかったという失敗もありました。それを踏まえて、まずは少人数グループで運用してもらい、機能も絞り込んで。そして徐々に使っていただくようになったら、機能を増やしていく方法にしてみたところ、それが逆に成功しましたね。
5月にスタートして、実際に導入いただいている会社さんからは「何か良さそう」と。使い始めてみてメールが飛び始めると「やはり良いね」とのお声をいただいているので、今後はその営業プロセスをどう変えようかと考えています。
また、弊社のサービスは、まだ不動産会社の自社HPにアクセスされていないお客様の動向まで可視化はできません。そういう方の掘り起こしはどうしたら良いのかと、もう1歩進んだところの議論をし始めている段階ですね。

―ということは、今後はご来店されていないお客様の動きもだんだん見えてくるようになるのでしょうか。

山本:そうですね、来店はしていないけどWebは見ている方。
ロイヤルカスタマーというか、自社ブランドを好きでいてくださるお客様に対して、そこの動きをしっかり分析しないともったいないのではないかと。
以前は、ポータルサイトの閲覧を経て実店舗訪問の流れとなっていましたが、今はポータルサイトをある程度ご覧になった後に自社ホームページをいくつかご覧になってという流れになっていますよね。

―それこそこれからVRやIT重説など、Webだけで終わる時代が来ますからね。

山本:おっしゃる通りですね。VRや重説のIT化というのは御社にお任せします(笑)。
そして弊社は、VRに関しても「この方にはこの物件が良い」「この方が今この物件に興味を持っています」というデータを示す。
データ分析のプロとして、どの家と人をマッチングするのかというところにフォーカスをしたいなと思っています。

KASIKAホームページ

業界転身をしてみて解った違い

―業界が変わったことで実感した違いなどはございますか?

山本:例えば、旅行などのeコマースは、それほど大きな決断ではないですよね。楽天トラベルにいた頃は、お客様といえばホテルや旅館にお泊りいただく方じゃないですか。ですが、それは全てオンラインで解決できるので、そのお客様に対する営業をする必要がありません。宿泊施設様への営業というのはありますが。

ただ、今回不動産業界ということでは、お客様は家をオンラインでは買わない。人を経由して買っていただくところなので、そこの部分の違いがありますね。
そのため、ただデータの計算だけをしていたら良いわけではありません。それを営業の方に見やすく伝えなくてはいけない。
実は当初、KASIKAのシステムは管理画面から作ったんですね。私達の1番の売りは、顧客一覧の中から今1番営業感度が高い方を見つけて、その方に営業アクションを取るということ。そのため、不動産会社様にお話する時も、そういう位置づけで入ろうとしましたが、なぜか食いつきが悪かったんです。
でも、実際は理想論やデータの正しさだけでなく、営業担当の方にとっての使いやすさが大事だと気付きました。
楽天トラベルとの違いは、色々なデータが書いてあることだけでなく、まずは「お客様がサイトを見始めましたよ」というメール1通の方が重要なのだと。
お知らせする情報を最小限にして、まずは営業担当の方に気付いていただく。気付いていただいたら、次は1時間毎のサマリーメールを送付。そして、ここからお客様のアクセス情報や閲覧履歴など、動きを分析するという真逆の順番になりました。

―なるほど、ユーザー目線ではなく、不動産会社様目線で考えたのですね。
この顧客一覧は、どのような基準で並んでいるのでしょうか?

山本:それはWebサイトへのアクセス頻度ですね。その頻度が高い方から順に並んでいます。

―では、直近でアプローチしやすい方から順に並んでいるということですね。
逆に不動産会社様にとっては、MAなどのスコア順より判りやすいですね。

五十嵐様(以下:五十嵐):スコアリングは大変なんですよね。

山本:そうなんです。あと、納得感が判りにくいじゃないですか。でもアクセス順であれば、どなたでも判りやすいですからね。

不動産会社様から教えてもらった、システムの意外な活用法

―現在導入されている会社さんは、どういった会社さんが多いでしょうか?

山本:販売仲介会社さんや賃貸仲介会社さんもいらっしゃいますし、リノベーション物件に特化した会社さんや工務店さんもいらっしゃいます。工務店さんは家の建て方や、キャンペーンページ、実際の施工例やお披露目会のページなどをお見せして、そこに資料請求された方を追いかけていく。それは「そういう使い方もあるんだ」と思いました。

―御社でも想定していなかった使い方をされているんですね。

山本:そうですね、想定外の使い方をされていることは結構ありますね。
ホームページに力を入れているお客様ほど、私達のデータを喜んで使って下さっていますね。

五十嵐:あと、このシンプルさも受け入れられるポイントではないかと思います。
マーケティングツールというのはたくさんあって、色々な売り込みが来ますよね。でも、どれを入れたら良いのか判らないし、何か難しそうだし、「こんなに機能があったって使わないよ」と。あとは金額の部分。そういったところがなかなかマッチしないところに、弊社のような不動産に特化したサポートサービスというものが入り込むと、「こういうものであれば使えるかもしれない」と。
結局ご利用いただくのは現場の営業の方々なので、現場で浸透しないと意味がないんです。
そのため、まずはシンプルなところからアプローチをして、実感を成功体験へ移したところでジワジワ広がると、皆さん直感的に解っていただけます。

―そこはご利用いただいてから、だいぶサポートにお力を入れているのでしょうか?

山本:そうですね。ただ、コンサルティングはもちろん行っていますが、逆にお客様からコンサルティングをいただいているケースもありますね。「そうか、こういう使い方をされるなら、メールはこういう風に飛ばした方が良いな」とか。
先程の即時通知機能も、通知しすぎると全員にメールが飛び過ぎるから、「この方はWebサイトを見ているけど、感度が低すぎるから即時通知はいらないよ」という使い方だったり。

五十嵐:他にも、導入していただいた不動産会社様から言われた一言が「初めは導入して、使いづらい点も多かった。でも、要望を出すとすぐに改善してくれる」ということ。
このサイクルが、お客様にとってもすごく前向きであるという姿勢として捉えていただけるんですね。そこもお客様にご利用いただいている1つの理由になっています。

不動産会社様もシステム開発チームの一員

―今後はシステム開発の方も注力をされて、営業もどんどん増やしていく感じでしょうか。

山本:そうですね。五十嵐などがまさにそうなんですが、営業で売るというより、お客様に教えていただく姿勢です。
良くも悪くも、弊社は不動産会社様の働き方や不動産業界に関しては素人ですので、逆に教えていただきながらやっていこうと思っています。システムの使い方は私達がコンサルとして、マーケティングの部分に関してはお話しますが、「家の探し方はそうじゃない」「私達の働き方はそうじゃない」ということは不動産会社様から教えていただいて、機能に組み込んでいる感じです。

―御社だけで不動産とITをやるわけではないのですね。

山本:そうですね。その方が良いかなと思っています。不動産会社様が私達の開発チームの一部のような感じで。お客様のニーズをどうとってくるかということが大切ですね。
私達に期待していただいているのだと思うのですが、良い意味でのダメ出し。「ここが使えない」「こうした方が良い」ということをすごく教えて下さるので、皆様のおかげで少しずつ良くなっているというイメージです。

今後の展望

Cocolive 山本社長

―では、御社のこれからの展望などをお聞かせください。

山本:私は結構住まい探しが好きなのですが、ライフステージは人それぞれ異なりますよね。そのため、今1番人生を楽しめる家に簡単に出会えて、そこでの暮らしが実現するサポートができればと思っています。そのためにデータ分析というのは、1つの方法論ですね。データ分析を通して人と家との出会いを作れたら良いなと考えています。

ただ、それは私達だけではできません。不動産業界や街のことを1番知っているのは、やはり不動産会社様だと思うのです。ならば不動産会社様を巻き込んで、不動産会社様が協力しれくれないと、皆が1番住みたい家に住める世の中は作れないと思います。
不動産会社様のためになる部分をしっかり作りながら、そういう出会いを作っていければなと考えています。

―ありがとうございました。
現場の営業担当の方々が『判りやすい・使いやすい・営業をしやすい』ことに重点を置いたデータ分析を行うCocolive様。
今年スタートしたばかりのCocolive様とKASIKAが、今後どのような進化を遂げるのか注目です。

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