インタビュー

ITと不動産が融合したビジネスモデルを展開する株式会社ietty様

ietty小川社長と大浜本部長

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目次

2012年の創業以来、チャットを活用したお部屋探しが好調の株式会社ietty様。
今回は社長の小川様と、技術本部長の大浜様にお話を伺いました。

入社当時から5年で辞めると決めていた人生設計

―まず、ietty様の創業のきっかけを教えてください。

小川:私が新卒で入社した会社が、住友不動産だったんです。
私は入社する時、5年で辞めて次のステップに行こうと考えていました。
それで次のステップとして何をやろうか考えた時に、起業することを考えたのです。
しかも不動産仲介として独立するのではなく、ITの会社を創って独立しようと決めました。それからITのビジネスモデルを研究していくうちに、不動産向けのIT、特に賃貸の部分はやれることが結構ありそうだなと感じました。
それで創ったのがiettyです。

ietty小川社長

―なぜ5年でお辞めになると決めていたのですか?

小川:私は日頃から、人生は意外と短いと考えているのです。
そのため、当時は35歳くらいまでにたくさん稼いで、35歳からはお金のことを気にせず暮らしたいと思っていました。
そしてその計画を実行するために逆算すると、28歳くらいで何かしらアクションを起こさないと、この人生設計の遂行は無理だろうと結論付けたのです。
それで、5年でサラリーマンを辞めると決めました。

―なるほど。では、お辞めになるまでの5年間は、どういう意識を持ってお仕事をされていたのですか?

小川:不動産という業種を、風上から風下まで全部見ようと思っていました。
ずっと同じ会社にいるのであれば、何か1つ誰にも負けないような知識や技術を持ったプロフェッショナルになれば良いと思うのですが、私の場合は社会の仕組みや何がどうなっているのかということを学ぶために、会社にいた感じでした。
退職後のことを見据え、とにかく商流を全て見ることができるように、社内をできる限り異動しようと考えたのです。

―では、住友不動産様に在籍中は、色々な部署を異動されたのでしょうか?

小川:はい。当時の私は、同期の中では一番異動していますね。5年で6部署くらい回りましたので。
ただ、異動といっても、同じ部署内だけど違う担当への異動もあったりしました。

―そうして異動をされる中で、組織や社会の仕組みなどを一通り把握されたんですね。

小川:ざっくりですけどね(笑)。「こんな感じだろう」とある程度理解した段階で辞めました。

逃げずに勝負する姿勢に惹かれ転職を決める

―大浜様は元々Yahoo!にいらしたと伺いましたが、iettyさんへ転職されたきっかけを教えてください。

大浜:私がこれまで経験したのは、 Yahoo!やGROUPON等のメディアとマーケティングリサーチのシステム開発ですね。
長くプラットフォームをつくるエンジニアをやっていましたが、IT企業がプラットフォーム事業に留まり続けることに限界を感じていました。
そんな時にiettyを知り、ITベンチャーでありながら不動産という事業を自分たちでやるという意識を持っていることに、「あ、ここはすごいな」と思いました。
1番泥くさいところを逃げずに勝負するところが、一介のITエンジニアとしても勝負する価値はあるなと。それで転職を決めました。

―元々お2人はお知り合いだったのですか?

小川:いえ、全く。

―では大浜様は、たまたまこちらを見つけられたんですね。

大浜:はい。私は転職する際、興味のある業界や経営者の考え方など、いくつか気になる点に注目して転職先を探していました。
そこで私の考えとぴったり合ったのがiettyだったんです。
私が転職先のターゲットとして考えていた業界は、不動産・医療・教育・金融の辺りですね。
というのも、現在IT関連の中で伸びている業界が、だいたいその辺りなんですよ。
これまでのITは、プラットフォーマーとしてシステムを提供するか、自社サービスであっても広告・マーケティングなど、いわゆる「第4次産業」あたりまでしかそのターゲットにできていませんでした。しかし、この2-3年でFinTechを始めITを使ったビジネスの幅が大きく広がりを見せています。
その中で、IT事業者とお客様が直接やり取りをする場として、不動産業界はこれから伸びていく余地が十分にあると思います。

ietty大浜本部長

前職での経験を基に考案したビジネスモデル

―小川様は、住友不動産様での経験を基にietty様のビジネスモデルを考案されたと思うのですが、その企画の基となった出来事が何かあったのでしょうか?

小川:iettyは、住友不動産の賃貸住宅事業部にいたというのが1番大きかったですね。
当時はFacebookやTwitterというSNSが出始めて、一般的に使われるようになった頃です。それで情報が受動的に得られる時代になったのに、不動産だけはお客様が能動的に物件を取りにいかないといけない。
それで、「ここが1番ITを適用する余地がありそうだ」と考えたのです。

―では、他のサイトさんもご覧になって色々研究をされた上で、お客様が主体的に動かなくても情報が届くようなサイトモデルを作られたのですね。

小川:そうです。

―実は私、前の家を借りる時にiettyさんで部屋探しをさせていただいたんです。
当時はまだポータルサイト形式というか、色々な不動産会社さんが御社に物件情報を提供しているスタイルだったかと記憶しています。

小川:そうなんですね、ありがとうございます。
当初、iettyのビジネスモデルは、もっとITらしさを打ち出したものを考えていました。
iettyという箱があって、その中に不動産会社さんが100社ほどいるイメージ。
そしてお部屋探しをされるお客様が箱に入ってくると、チャット形式でお話しながらお部屋をご紹介して決めていくというサービスだったんです。

ただ、実際に運用してみると、そのサービス自体は営業マンに負荷をかけるものだということが判りました。
というのも、チャットを対応していただくのは各不動産会社さんの営業担当さんなのですが、繁忙期になると不動産会社さんも店舗にいらっしゃるお客様の対応に追われてしまって、なかなかチャットまで対応できなくなるんですよね。
便利なはずのシステムなのに使っていただけない。そういうジレンマに陥ってしまって、それであれば自社で仲介を行った方が良いのではないかと考え、賃貸仲介に参入しました。

―では私が御社のサービスを使わせていただいた頃が、ちょうど運用体制の入れ替わり時期だったのでしょうか。

小川:そうですね。
私は当時、「良い不動産に出会うためには良い営業マンに出会って、良い部屋探しができるのが1番だ」と思っていたのですが、お客様としては、単純にご自身にとって良いお部屋に出会いたいだけなんですよね。
つまり不動産仲介とは、すごく優秀な営業マンが1人いればそれで良いんですよ。それがお客様にとって、1番親切なビジネスモデルだと気付いたわけです。

チャットやAIを導入したきっかけと運用のコツ

―不動産業界の中では、御社がチャット機能やAIの先駆けというイメージがありますが、最初にチャットを導入しようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

小川:当初は物件を受けるリコメンドのシステムだけを利用していて、自動的に物件情報が届くということがメインでした。
ですが、そのうち「質問したい」「やり取りをテキストベースでしたい」とニーズが高まっったため、「それならチャットを入れようか」となりました。
また、当社が創業した2012年はちょうどLINEサービスが流行り始めた頃だったので、それもあってチャットサービスを入れました。
当初は人力で行っていましたが、チャットでやり取りしていく中で徐々に自動化をしたくなり、その結果AIも導入したのです。

―では御社から見て、チャット運用が上手い不動産会社さんとそうでない不動産会社さんでは、どういった点に差があると思われますか?

小川:真面目さでしょうか。実直さというか、真面目にやることが1番ですね、チャットは。真面目にお客様のことを考えて、真面目に物件を提案してあげる。

今でこそ、チャットやAIを使いたいと仰る不動産会社さんが増えて、弊社にもご質問をいただくことがありますが、AIでチャットを使うこと自体が目的となっていると、それは本質的には違います。
弊社はチャットやAIが流行する前から両方とも使っていますが、それは必要に迫られて使っているのです。
チャットやAIの活用は、あまり無駄がないシステム設計ができるメリットがあります。
その反面、チャットやAIありきでサービスを始めたいということは、どうしてもユーザーがおざなりになるんですよ。
それはどちらかというと事業者側の都合で、チャットやAIを使いたいからという理由だけでサービスを使うのは、それは本当にお部屋探しをされているお客様の気持ちを考えていません。
不動産業界に限らず、現在はチャット機能を使ったサービスが流行っていますが、上手く運用できていないサービスのほとんどが、その傾向にありますね。

ietty小川社長と大浜本部長

―なるほど。しかし不動産会社さんによっては、そうした新しいサービスに興味を持たれて「うちも導入したい」とご希望される会社さんも多いですよね。

小川:ええ。ただ不動産会社さんによっては、チャットとAIという言葉は知っているけど、その本質が全く理解できていないかなと感じることもあります。
そうですよね、大浜さん。

大浜:はい。「今はチャットが流行りだからやらなきゃ!」と思っていて、弊社にも運用のノウハウなどについてご質問をいただくことがありますが、そういった質問をいただく時にAIでなんでも解決できるかのように期待され、「違うんだけどな~」と思うことはあります。

―弊社にも「チャットやAIを使って何かやりたい」というお話をいただくことは、確かに多いですね。

小川:そうでしょう。
でも万能ではないんですよね、チャットもAIも。
実際に運用してみると解りますが、チャットは思った以上に大変なんですよ。
なぜなら、AIをチャットで使うと言っても、お客様からの質問にきちんと受け答えができるように、それなりのデータをAIに学ばせなくてはいけません。
また、それだけのデータを貯めるには人力が必要不可欠です。蓄積量が少ないと、まともなAIができないですからね。
このように、必要な量のデータを収集するためのコストや体力が、不動産会社さんにあるのかどうか。
もしもコストをかけるという気持ちがあるなら、どの分野で本当に必要だと考えて言い出したのか。そこまできちんと考えないと、運用を始めても上手くいきません。

―本当に今までの意識を改革するという意志がないと難しいですね。

小川:そうです。1からやるという強い気持ちがないと無理です。

チャット以外で力を入れている集客方法とは

―現在、御社のサイトの集客方法は、何をメインにされているのでしょうか?

小川:何でもやっていますよ。ソーシャルメディアを使った広告もありますが、弊社はメディアも運用しています。
それが『ietty magazine』と『イエマミレ』というwebマガジンです。
それと、法人様向けの福利厚生サービスで『iettyBIZ』というものがあるのですが、これは特定の法人様の仲介手数料を50%オフにできるサービスです。
そういったところからミックスして集客している感じです。

―サービスで言うと、『iettyトータルサポート』もございますよね。

小川:あ、そうですね。
仲介の場合ですと、引っ越し後のお客様とお会いするのは3~5年に1回くらいの頻度ですので、その間に忘れられるケースが多いんですよね。
そのため、「次に引っ越す時もiettyさんが良い」となかなか思っていただけず、何か策はないかなと考えていました。
その時に、引っ越した後も「何か困ったことがあれば、仲介の私たちにご相談下さい」という、トータルサポート的な考えで作ったサービスが『iettyトータルサポート』です。

―では、次のお部屋探しをされるまでのフォローアップをされているんですね。

小川:そうですね。まぁ実際は、そんなに問い合わせは多くないですが。
結局お客様も、何かあれば管理会社へ行ってしまうので、その点はもう少し考えなくてはいけないなと思います。

今後の構想について

―では最後に、御社はこれまでチャットやAIの導入など色々なサービスをされていますが、今後の構想は何かございますか?

小川:1つは全国展開ですね。iettyというサービスを全国で使えるようにしたいです。
あとは管理・売買の領域にも広げたいなと思いますね。

―売買はイメージが付きますが、管理もされる予定なんですね。

小川:そうですね。当社はITに強いプラットフォームを持っているので、オーナーさんにとってはそこが魅力的に映るだろうと考えています。
また、管理はまだITが十分に浸透していないので、浸透させることができればなと。
不動産業界は全般的に、ITに弱いので。
ただ、賃貸というトランザクションを押さえたあとはどこに行くのかということも、また考えないといけないなと考えた時に、次のターゲットとなるのが売買・管理なのです。

大浜:あとは、不動産賃貸だけでなく、他の領域にも適用できるチャットシステム構築の可能性も検討段階に入っていますね。

小川社長と大浜本部長とietty

―今後は売買や管理も含め、ITを駆使して様々な分野へ展開していかれるのですね。

―本日はありがとうございました。
チャットやAIなど、IT技術を駆使した事業展開を目指すietty様。
今後の展開から目が離せません。

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