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賃貸物件の原状回復費用にまつわるトラブル。どう対処すべき?

原状回復費

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契約更新のタイミングだったり、進学・就職・転勤・結婚などのライフステージの変化に伴い、住み慣れた賃貸物件を引っ越さなければいけないタイミングというのは誰にでも訪れるもの。

その部屋を気に入っていた気持ちが強ければ強いほど、引っ越しをするのは寂しくなりますよね。

しかし、そうした寂しい気持ちと同時に訪れる不安が、退去時の原状回復費用がどれくらいかかるのかということ。

通常、賃貸物件を引っ越す際は原状回復費の請求が行われるものですが、場合によってはトラブルになりやすい点でもあります。

せっかくこれまで家主・借主ともにお互い良好な関係を築けていたのに、最後の最後で揉めてしまうことは避けたいですよね。

今回は、そんな退去時の原状回復費についてのお話です。

原状回復費用を巡るよくあるトラブル「突然届いた原状回復費用の請求」


半年前、15年住んでいた賃貸アパートを引っ越したAさん。

引っ越し当日は無事に引き渡しの立ち会いも済ませ、その後新しい家で新生活を送っていたところ、先日その賃貸アパートの家主さんから一通の手紙が届きました。

引っ越し以来特に連絡を取ることもなかったので、急にどうしたんだろうと内容を確認してみると、そこにはAさんが住んでいた部屋の原状回復費として50万円を請求する旨と、指定の期日までに支払わないと訴えを起こす旨が記載されていました。

突然の出来事に驚いたAさん。

その賃貸アパートは築年数が古く、今年で築30年になる木造2階建てのアパートです。

確かにAさんが住んでいた間に若干壁紙に小さな傷をつけてしまったなどの軽微な損傷はありましたが、元々建物自体の経年劣化による傷みもありました。

それを考慮するととてもこの請求額が正当とは思えませんが、入居当時に交わした契約書には『退去時に原状回復費を請求する』と記載があります。

それを承諾の上で契約したのだから、やはりAさんはこの請求通りに50万円を支払わなくてはいけないのでしょうか。

原状回復費用50万円全額の支払い義務はない。

原状回復費の支払いを拒否する男性

現役の不動産業界のプロによると、Aさんのケースでは以下の点がポイントとなります。

1.退去から半年経過している

2.建物自体の経年劣化による損傷が明白

賃貸物件の引っ越し経験がある方ならご存知だと思いますが、通常は家主(または管理会社の社員)と借主双方が退去時の立ち会い確認を行い、そこで借主が負担すべき原状回復費を決定します。

もしその場で決められないような場合は、後日きちんと計算して借主へ原状回復費を請求することもありますが、今回のように半年も期間が空いてしまうことはそうそうありません。

また賃貸物件の原状回復の基準については、2002年に国土交通省がガイドラインを作成し公表しており、現在はこれに基づいた原状回復費の計算が行われています。

このガイドラインでは、賃貸物件の経年劣化や日常生活において避けられない物件の摩耗・消耗など、借主に落ち度が見られない場合の劣化については借主の負担はないと定めています。

※日常生活において避けられない物件の摩耗・消耗というのは、例えば冷蔵庫のモーターによる壁紙の色褪せや、室内に入る日光による日焼けなどが該当します。

そのため今回のAさんのようなケースはとても正当性があるとはいえず、Aさんは請求された50万円の原状回復費を全額支払う義務はありません。

ただし、室内の損傷や摩耗・消耗が全て経年劣化や日常生活において避けられないものとは限りませんので、家主さんや管理会社と話し合いの元で正しい原状回復費が確定したら、その分はきちんと支払う必要がありますのでご注意ください。

賃貸物件での原状回復費用トラブルを避けるために

こうした原状回復費のトラブルは、いつでも誰の身にも起こり得るケースですが、やはり巻き込まれる可能性を少しでも低くするためにも、事前に原状回復に関する資料に目を通しておくことをお薦めします。

国土交通省のホームページでは、『原状回復をめぐるトラブルとガイドラインについて』というページを公開していますので、こちらをご参照ください。

このガイドラインは2011年8月に再改訂されており、最新版の資料をダウンロードすることができますので、必要に応じてダウンロードしていつでも見られるようにしておくと尚良いでしょう。

また東京都の場合、東京都都市整備局という機関がこうした賃貸物件に関する苦情や相談を受け付ける機関となっていますので、国土交通省のホームページと併せてこちらも確認されると安心です。

退去時の一番の懸念となる原状回復費用。

いえらぶ不動産相談では、こうした原状回復に関するご相談も受け付けております。

不動産業界に携わる現役のプロが、皆様のお悩みを解決するべく、プロ目線のアドバイスを行います!

「家主さんや管理会社に直接相談したいけど、こんなことを聞いていいのだろうか?」という方も大歓迎です!

ご自身だけでなく、ご家族・友人などの身の回りの方も含め、賃貸物件の退去時に関するトラブルのお悩みがある方はぜひいえらぶ不動産相談をご活用ください。

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