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これってどっちにあるの?賃貸物件の設備トラブルにまつわる修繕義務

これってどっちにあるの?賃貸物件の設備トラブルにまつわる修繕義務

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これってどっちにあるの?賃貸物件の設備トラブルにまつわる修繕義務

ずっと賃貸物件を探していて、ようやく希望に合いそうな物件が見つかった!

でも、いざ内見してみると壁のクロスが少し剥がれかかっていたり、リビングのドアの滑りが悪くてスライドしにくかったりなど、少し気になる箇所がある…。

もしくは、契約を済ませて引越したけど換気扇を回すと嫌な音がしたり、キッチンの照明器具が1つ切れていたりと、入居後に不具合を見つけた…。

現在賃貸物件にお住まいの方や、賃貸物件を探していて内見まで済ませた方で、こうした経験をお持ちの方はいませんか?

実は賃貸物件における設備トラブルには、貸主負担でおこなう修繕と借主負担でおこなう修繕のボーダーラインがわからず、揉めた事例もあります。

蛍光灯や電球が切れたり、和室の障子や網戸に穴が空いたりなどの軽微な不具合は借主負担で修繕をおこなうという解釈が通例です。

また、契約書にもそういった文言が記載されています。

しかし、すべての修繕ケースを想定して「この場合は借主さん負担で修繕をお願いします」と事細かに契約書に記載してしまうと膨大な数になります。

読む方も説明する方も疲れて頭に入らず、あまり意味がありません。

また、「軽微な不具合」の基準も十人十色なので、契約書に記載されていないケースの不具合が発覚した時にどちらが負担するべきなのかと悩むことも多いです。

双方が相手に修繕義務があると主張したりして、トラブルになることも。

明確な基準がないとはいえ、貸主・借主双方ともにやはり自分と似た事例があると「この場合はこうなんだ」という判断がしやすくなりますよね。

今回は実際の事例を基に、借主負担となるケースや貸主に修繕義務があるケースをご紹介したいと思います。

ケース1 キッチンの蛇口のパッキンが古くなった場合

ケース1 キッチンの蛇口のパッキンが古くなった場合

現在の賃貸物件に住んで5年になるAさん。

Aさんが住んでいるお部屋は築10年のアパートです。

ある日、キッチンの蛇口を閉めてもポタポタと水が漏れていることに気付きました。

どうやらパッキンが古くなって、蛇口を閉める力が緩んでいるようです。

このままではずっと水が漏れっぱなしになってしまうため、パッキンを交換してもらおうと思いアパートの管理会社に連絡を入れました。

すると、「ご自身で修繕をお願いします」とのこと。

パッキンはAさん自身が壊したわけではなく、経年劣化による摩耗なのでAさんに落ち度はありません。

ですがこのパッキン交換も一般的には『軽微な不具合』と解釈され、借主負担でおこなう修繕となります。

そのため、この場合はAさんがおこないます。

なお、パッキン交換は専門知識がない方でも比較的簡単にできますが、あまり自信がないという方は専門業者に依頼して修繕してもらうとよいでしょう。

ケース2 壁のクロス(壁紙)を張り替える場合

ケース2 壁のクロス(壁紙)を張り替える場合

昨年、現在の賃貸マンションに引っ越してきたBさん。

そろそろ引っ越して1年ほど経ちますが、最近リビングの壁のクロスを張り替えたいと思っているようです。

Bさんが住んでいるマンションは、Bさんが引っ越してくる10年前に建てられたマンションです。

新築当時はおそらく真っ白できれいだったクロスも、現在は少しくすんでいるように見えます。

そのためBさんはオーナーさんにクロスの張り替えをお願いしましたが、断られてしまいました。

Bさんが汚したわけではなく、古くなったクロスを張り替えてほしいと依頼しただけなのに、どうして断られてしまったのでしょうか?

本来壁のクロスは「借主が問題なく暮らせるように、貸主が修繕義務を負う」箇所の1つです。

しかし、ただクロスが古くなっているだけで借主の生活に支障がない場合は、貸主は修繕をしなくてもよいとされています。

Bさんのケースは正にこれに当てはまるため、オーナーさんはお断りをしたのです。

またほんの少しクロスが剥げてめくれている程度の場合も、貸主に修繕義務はありません。

ただし、クロスが大きく剥がれ落ちていて生活に支障が出るようなレベルの場合は、貸主に修繕義務があります。

ケース3 腐敗した排水管を交換する場合

ケース3 腐敗した排水管を交換する場合

Cさんは、現在の賃貸アパートに住んで15年になります。

このアパートが新築だった時から暮らしていますが、最近排水口からにおいがして気になっているようです。

掃除をしても改善されなかったので調べたところ、排水管が劣化して腐敗していたことが原因と判明しました。

貸主・借主のどちらにも非はない経年劣化が原因で起きたものですが、この場合は貸主に修繕義務があります。

なぜかというと、排水管は建物に付属している設備の一部であり、これが修繕されないと借主の生活に支障が出ることが明白だからです。

アパートやマンションなどの集合住宅なら、いずれ他の部屋にも同様の影響が出ることは十分考えられますよね。

そのためCさんのような事例では、オーナーさんや管理会社へ修理を依頼する必要があります。

もし修繕に応じてもらえない場合は一旦借主負担で修繕をおこない、後日その費用を貸主へ請求することが可能です。

請求に必要な領収書などは、きちんと保管しておいてください。

まとめ

これ以外にも賃貸物件の修繕に関するトラブルは多数あります。

しかし、「比較的簡単にできる修繕」や「借主の生活に多大な影響を及ぼさない程度の不具合」なら借主負担で修繕をします。

そして、「大掛かりな修繕や借主の生活に多大な影響が及ぶ不具合」であれば貸主負担で修繕をおこなうというのが1つの基準のようです。

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